2012 Fiscal Year Annual Research Report
省略現象に関する統語論・意味論のインターフェース研究
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22520488
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島 越郎 東北大学, 文学研究科, 准教授 (50302063)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 動詞句削除 / 間接疑問縮約 / フェイズ理論 / 削除 / コピー / 同一性条件 / 焦点化 |
Research Abstract |
省略された箇所とその先行詞との同一性条件を明らかにすることを研究の目的として、省略を認可する統語条件と意味条件の相互作用について考察した。具体的には、英語における次の省略文に課せられる同一性条件の解明を試みた。 (1) a. Bill is writing, but you can’t imagine where. b. John loves Mary, and Tom does too. 文(1a)は疑問詞whereの後で従属節Bill is writingが省略されている間接疑問縮約(Sluicing)の例であり、(1b)は助動詞doesの後で動詞句love Maryが省略されている動詞句省略(VP-ellipsis)の例である。申請者は、これまでの研究において、Chomsky (2001)が提案するフェイズ理論の枠組みにおいて、動詞句省略を音声解釈部門における削除操作により、また、間接疑問縮約を意味解釈部門におけるコピー操作により派生させる分析を提案してる。本年度は、この分析を踏まえ、PF削除操作が要求する形の同一性条件と省略文中の残留要素により引き起こされる焦点化が要求する意味的対比条件が必要であるという仮説を提案し、i)動詞句省略の中に間接疑問縮約が適用される省略文の存在、ii)先行詞内に潜在項が含まれる環境において間接疑問縮約文は許されるが、動詞句省略文が許されない事実、iii)先行詞内の不定代名詞に対応する要素として間接疑問縮約文の疑問詞は残留要素として生起できるが、動詞句省略文の疑問詞は生起できないという事実を統一的に説明することを試みた。また、省略される動詞句が先行詞の動詞句内に基底生成される省略文においては、削除される動詞句を含む目的語が先行詞の動詞句に付加移動することにより、PF削除に課せられる同一性条件が満たされることも論じた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)