2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520491
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
仁科 弘之 埼玉大学, 教養学部, 教授 (20125777)
|
Keywords | 動詞意味 / 様相論理表現 / オートマトン / 行動計画 |
Research Abstract |
動作動詞の表す適切な意味表示としては、様相論理表現と有限オートマトンによる表現とのあいだでどちらが優れているか比較研究を行う。そのために、本年度は以下の研究を行った。 (1)模型ロボットによる身体動作の模擬実験を行った。push-up(腕立て伏せ)の運動についてのデータ(行動計画)をロボットから取り、その行動計画データからの回転関数をえて、さらにそれらを連結して腕立て伏せの動作を表す回転式群をえた。これらを様相論理で表した。得られた様相式をその動作の意味的記述とした。今後は、別のより単純な典型的に動作動詞で表す事の可能な動作に対して同様の実験と論理計算が必要である。これらは基本的には四肢の部分的な運動であるので、四肢のスケール度の低い小型ロボットでは精密な模擬力が困難である。様相論理計算は手計算で行うので膨大な時間を要する。模型ロボットの改良が必要である。 (2)上記(1)で得られた回転式出力を記号化したものをオートマトンに受理させ、その複雑性の度合いを決定したい。これにより、動作動詞の意味に相当する動作を直接言語として捉え、その文法的複雑性の度合いを直接に捉えることを試みる。(1)で得られた記号列のオートマトンによる受理の試行を行い、一つの発見があった。左右の身体部分が対称的か或は交互に相補的に動く動作においては、それを表す記号列は、有限オートマトン或いは高々プッシュダウンオートマトンで受理可能な複雑性に留まる傾向が見られた。しかし、この結果、もう少しデータを集めて再検証する必要がある。 (3)更に、意味表示の観点から、人間から見て、(1)と(2)のあいだでどちらがより適切な表示であるかを比較考察する。
|