2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520492
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 明 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (70265487)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マヤ語族 / 形態演算 / 可算・非可算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、当初、束縛条件Aの再帰化現象について人称の素性のレベルであらたな突破口を見つけることを目標としていたが、これは、目的語との一致が動詞に表示されるバスク語で、再帰目的語が常に三人称扱いとなっていることが判明し、それ以上の展開がないようだという結論に達した。英語のselfと同じ働きをしている名詞が再帰目的語の主部の役割をにない、先行詞が三人称でない場合でも再帰目的語自体は三人称として意味計算がなされていることを示しているのである。 一致現象一般ということでは、マヤ語族のカクチケル語などで他動詞主語が焦点化などで移動するときに使われる動詞の特殊形態が示す人称がらみの奇妙な制約についての分析をおこなった。これは、Preminger 2014が一致のメカニズムやその結果の形態的実現についてアドホックな仮定をもとに提案していたものを修正する形となっている。あらたな分析の骨子は、当該の制約は形態的実現にかかわる一般的制約に帰着するというものである。統語演算における一致のメカニズムに関しては、プラスとマイナスの両方の値が関与する素性のシステムだけが正しい結果を得るために必要な仮定であって、それ以外の一致のメカニズムには、とりたてて余計な仮説をもうける必要がないという望ましい成果が得られた。この研究結果は、二年目以降、フラニ語の動詞形態やカイオワ語とヘーメス語の逆数について行ってきた研究の経験が生きたもので、かつ、そこでの一連の理論的帰結と符合することにもなっている。まだ未発表であるが、今後、発表先をさがすことになる。 その他、昨年度、国際言語学者会議で発表した成果のうち、日本語における可算・非可算の区別の存在を立証したものを論文の形にまとめ、議事録に収録された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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