2010 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニケーション能力を考慮した日本人話者の英語プロソディーの特徴に関する研究
Project/Area Number |
22520505
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
上斗 晶代 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (60196665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯澤 伸夫 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (00220525)
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Keywords | 英語音声学 / 音調核 / プロソデイー / 日本語話者 / イントネーション / アクセント / フォーカス / 音響音声学 |
Research Abstract |
日本語母語話者の生成による英語のプロソディーの特徴について,「広いフォーカス」となる音調核を持つ発話文を分析対象として,音調核と発話のイントネーションの明瞭度,及び音響的特徴の観点から,発話の長短,及び発話内での音調核の位置(文頭(SI),文中(SM),文末(SF))の違いによる分析を行った。上昇調の音調核を持つ発話文では,文の長短に関わらずSFのイントネーションの明瞭度(英語ネイティブによる5段階評価で,5が最も高く,1が最も低い)と音調核認識率が最も高かった。短長文ともに,音調核の位置と核音調を指示通りに読み上げた発話(CP)では,SMの明瞭度と音調核の認識率が最も低く,指示なしで読み上げた発話(UP)ではSIの明瞭度と音調核認識率が最も低かった。短文においては,SIとSMの明瞭度が低い場合はFOの上昇度が小さい傾向にあり,SFの明瞭度が高い発話は音調核の長さが長く,音調核の認識率が高い傾向にあることがわかった。SFでは母語干渉がプラスに作用し,SIとSMにおいてはマイナスに作用することが,SFの明瞭度と音調核認識率の高さの要因であることが示唆された。 下降上昇調の音調核を持つ短文では,UP, CPともに明瞭度はSIが最も低く,音調核認識率はSMが最も低かった。明瞭度が低い発話では音調単位の末尾で大きい下降が起こり,インテンシティも弱いことがわかった。長文においても,UP, CPともに明瞭度はSIが最も低かった。 下降上昇調は日本語では英語ほど頻繁に使用されないため,日本語話者にとって難しい音調と予測されたが,音調核の発話中の位置によっては上昇調の方が明瞭度が低いことが判明した。音調核が長文文頭に位置する上昇調のUPは最も低く(2.76),CPにおいても短文文頭が最も低かった(2.88)。音調核の文中での位置と文の長さの違いによる日本語話者の英語プロソディーの特徴の違いについての研究例は数少なく,英語音声教育への応用の観点からも意義深いといえる。
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Research Products
(2 results)