2010 Fiscal Year Annual Research Report
英語における統語構造の適応的変化-機能範疇の発達を中心に-
Project/Area Number |
22520509
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
保坂 道雄 日本大学, 文理学部, 教授 (10229164)
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Keywords | 英語史 / 機能範疇 / 進化言語学 / 英語通時コーパス |
Research Abstract |
本研究プロジェクトは、3年間の研究期間の中で、英語の構造変化を、機能範疇の投射構造であるFPの創発及び適応的変化という視点から研究するものである。1年目の本年度は、具体的に以下の内容について研究を行った。 1.研究の基礎資料となる言語コーパスの作成 本年度は特に、古英語・中英語と現代英語のパラレル・コーパス作成の基礎資料として、以下のファイルを作成した。 An Old English Martyrology,Anglo Saxon Charters,Anglo Saxon Wills,Aperypha,Bede,Boethius,Gregory's pastoral Care, Heptateuch, Holy Rood Tree, Leechdoms, Pride and Prodigies, AEIfric's Lives of Saints, etc. 2.CP構造の適応的変化に関する研究 以下の論文において、具体的なCP構造の発達について研究を行った。 まず、"The Rise of Subordinators in the History of English:The Riddle of the Subordinator when"では、接続詞whenについて、その特性を他の前置詞由来の接続詞(beforeなど)と異なる点に着目し、動詞句内部から移動した副詞的要素が補文標識として再分析された過程を構造的観点から論じた。次に、"The Rise of the Complementizer that in the History of English"では、英語の補文標識thatの発達について、接続詞のthatと関係詞のthatを比較し、その構造的共通性に着目し、その起源と発達について進化言語学的側面から論じた。 なお、本年度の研究のまとめとして、本年4月23日に、日本英語学会第4回国際春季フォーラムのGuest Lectureとして、発表を予定している。
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Research Products
(3 results)