2012 Fiscal Year Annual Research Report
英語における統語構造の適応的変化ー機能範疇の発達を中心にー
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22520509
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
保坂 道雄 日本大学, 文理学部, 教授 (10229164)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 英語史 / 統語変化 / 言語進化 / 機能範疇 / 分裂文 / 格 |
Research Abstract |
本年度は、言語の基本モデルについて、これまでの生成文法の考え方を再考し、新たな視点から考察を行った。その結果、これまでの統語部門から意味部門・音韻部門へと分化するモデルでは言語の多様性を説明するには不十分であり、言語の内在化の結果である「思考の言語」と言語の外在化の結果である「伝達の言語」という2つの段階を区別するモデルが必要であることを論じた。なお、本研究は、平成24年12月に開催された日本大学英文学会学術研究発表会にて、その成果を発表した。また、具体的な研究としては、CaseとAgreementの問題を中心に、英語の分裂文の歴史について考察を行い、これまで説明が困難であった前置詞句等を焦点とする分裂文の派生について、biclausalからmonoclauasalへの変化に着目し、説明を行った。なお、本研究は、平成24年9月に、慶應大学で開催されたThe 4th International Conference of the Society of Historical English Language and Linguisticsにおいて、その成果を発表した。 また、本研究の成果は、現在言語研究の大きな流れの1つになっている生物言語学への貢献が期待できるものでもある。特に、新たな言語モデルの提案は、チョムスキーが提唱する「言語の普遍性」について、これまでとは異なる視点を提供することを可能とする。具体的には、「言語は、約5万年前の出現時以来、その基本的構造に変化はない」というチョムスキーの主張を、「思考の言語」という視点から説明できる点で、有益な議論を提供できるものと考える。今後は、格、語順、機能投射構造等の詳細な分析を行い、本主張を具体化する研究を続ける予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)