2013 Fiscal Year Annual Research Report
生成文法における長距離依存の局所性に関する理論的及び実証的研究
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22520511
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
石井 透 明治大学, 文学部, 教授 (30193254)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 英語学 / 言語学 / 生成文法 / 局所性条件 / 韻律構造 |
Research Abstract |
本年度は、以下の二点についての研究を行った。第一に、移動現象には、統語部門で適用される統語移動/内在的併合と、音韻 部門内での外在化過程で韻律構造に適用される韻律的移動の二種類存在するという提案を、日本語のかき混ぜ規則現象に基づいて行った。そして、統語移動/内在的併合に対しては、「島の条件」に代表される局所性条件、格付与規則などの統語的制約、及び付加詞の解釈、数量詞のスコープ解釈、束縛関係などの意味的制約が適用されるのに対して、韻律的移動にはこれらの制約が適用されないことを発見した。そして、この二つの規則の違いは、音韻部門へ情報が移送された後には統語部門へ情報が戻ることがないという、広く採用されている言語モデルから自然に導き出せるとした。統語的移動規則および韻律的移動規則共に、要素を領域の「端」へ移動することにおいて統一的に扱うことが可能であり、違いはその領域が統語的領域(すなわち文)なのか音韻的領域(すなわちイントネーション句)なのかの違いだと主張した。なお、この成果は、カリフォルニア州立大学フレズノ校のAgbayani教授・Golston教授との共同研究の成果である。 第二に、語用論的素性によって統語操作が導かれる場合あることを、日本語の名詞句に付加されるEvidential Markerの分析に基づいて提案した。そして、そのような名詞句はEvidential Phrase (Evid P)として機能し、文を構成する機能範疇の一つとして仮定するEvidential Headの指定部に移動すると考えると、その分布および解釈を導き出せると主張した。さらに、その移動は「島の条件」などの局所性条件に従うと主張した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)