2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520512
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Research Institution | Toyo Eiwa University |
Principal Investigator |
中村 捷 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 教授 (20004088)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 学習英文法 / 伝統文法 / 斎藤秀三郎 / 細江逸記 / 市河三喜 / 生成文法 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、日本における学習英文法史を英語学研究の視点からまとめることであった。本研究では日本における学習英文法の歴史を辿り、学習英文法史上で重要と思われるいくつかの文法書について、現代英語学の視点から、取り扱われている内容の範囲とその記述様式、文法概念の扱い方、学習者に対する配慮、練習問題などの特徴を詳細に検討することによって過去の遺産を現在の学習英文法の構築に生かす方途を探ることであった。 本年度はその最終年度に当たるので、最終報告書をまとめることが目的であった。その結果2冊の報告書、『伝統文法の系譜(1)斎藤秀三郎『実用英文典』』(512頁)と『伝統文法の系譜(2)細江逸記『英文法汎論』、市河三喜『英文法研究』』(256頁)をまとめた。 『伝統文法の系譜(1)』は明治時代に書かれ、我が国の英文法研究の源流である斎藤秀三郎のPractical English Grammarを翻訳し(ほぼ全訳)、現代英語学の視点から評言を加えたものである。斎藤文法の構成は品詞論によっているが、その内容はさまざまの文法項目に及んでいること、現在の英文法の枠組みを決定したこと、練習問題の適切さ、などについて評論を加えた。 『伝統文法の系譜(2)』では、斎藤に続く大正・昭和の時代の碩学、細江と市河の代表的研究を取り上げて、その内容の紹介と現代的意味について論じた。細江逸記の『英文法汎論』は本邦最初の体系的英文法書で、現在の学習英文法で使用されている五文型の概念を定着させたと言われている。斎藤と比較すると体系的でバランスがとれているが、時代背景を考慮すれば本書を斎藤の著作と比較するのは適切ではなく、斎藤の文法書はその量、内容、気迫において圧倒的である。市河の『英文法研究』は記述文法に基づく本邦最初の研究書である。その研究成果を現代的視点から見直すとどのようなことが言えるのかを論じた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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