2012 Fiscal Year Annual Research Report
位相を意識した日本語使用を促す学習支援システムの研究
Project/Area Number |
22520516
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
才田 いずみ 東北大学, 文学研究科, 教授 (20186919)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 社会的位相 / ICT / 日本語学習 / 役割語 / スピーチレベル |
Research Abstract |
社会で用いられている言語には,さまざまな位相に対応した変種があるが,外国語として学ぶ場合,学習者が接する言語バリエーションは,中立的で限定的であることが多い。本研究は,日本語学習者が日本語の種々の位相を意識し,場面や効果を考えてスピーチレベルや表現を選択使用することができるよう支援することを大きな目的としている。 最終年度の今年度は,社会的位相に即した適切な表現選択のためのリソースの豊富化を中心に教材開発を実施した。昨年度作成した「意向を訊く」「希望を言う」「確認する」という言語行動に「申し出る」を加え,豊富化を図ったが,教材の利用者である学習者から「希望を言う」は練習がしにくいという指摘があったので,リソースの豊富さよりも,位相を意識した日本語使用を促すことを重視して,「申し出る」「確認する」「意向を訊く」という3つに絞った展開とすることとした。 相手との関係や場面を踏まえて,適切な言語表現(主にスピーチレベル)を選択・表出する力を養うためのリソースと発話練習,適否判断練習を作成した。一部は現在ウェブからアクセス可能であるが,昨年のデータとの調整を行っているため,全体が稼動するのは,5月半ばの予定である。なお,9月末には東北大学で開催されるワークショップで実演・発表する。 もう1つの眼目である伝達スキルや役割語の使用に関する評価調査については,調査用の映像の作成が難しく,調査に至らなかった。特に「りきみ」や「空気すすり」などの音声的な技巧に関しては,自然で明示的な映像データを得るのが大変難しい。会議や発表など,実際の場面での映像を集めた上で,プロの演技者を得る必要があろう。一方,発話者本人の位相とは異なる役割語が使用されたリソースについては,3つの映像を作成した。この映像は,ウェブ上で公開するが,3つでは不十分であり,調査は今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)