2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパ共通の言語政策とチェコおよびスロヴァキアの多言語性マネージメント
Project/Area Number |
22520548
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 聡 北海道大学, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (40198677)
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Keywords | 言語政策 / チェコ / スロヴァキア / EU / 欧州評議会 / CEFR / diversity management / Language Management Theory |
Research Abstract |
本研究は、21世紀以降のヨーロッパにおいてEUや欧州評議会のイニシアティヴによりヨーロッパ共通の超国家的言語政策が成立していく過程を視野に収め、その本質、成果、問題点を明らかにすることを課題としている。とりわけチェコ共和国、スロヴァキア共和国の事例に注目する。 3年計画の初年度となる平成22年度においては、以下の研究活動を行った。 1)「超国家的枠組、標準化、ネットワーク化:ヨーロッパ、日本、アフリカにおける組織的多様性マネージメント」と題する国際シンポジウムを企画し、所属部局の主催事業として実現させた。マイノリティ研究で世界的に有名な北イタリア南チロル地方にある研究シンクタンクEuropean Academy of Bolzano(EURAC)の所長を招聘し、また博士院生ほかの協力を得て、EURACとEUの共同出版物"Europe's Ethnic Mosaic:A Short Guide to Minority Rights in Europe"(EURAC:Bolzano 2008,140pp.)の日本語版作成の作業を行った。いずれも近く公開予定である。 2)記シンポの理論的基盤となった「組織的(多様性)管理」というコンセプトを提示するチェコの言語学者イジー・ネクヴァピル氏(カレル大学)を北大に招聘して特別セミナーを開催するとともに、氏の提唱する「言語管理理論」について別途意見交換を行った。また3月にチェコほかで文献資料調査を行った際、氏のゼミナールに参加するとともに、カレル大スタッフとの研究協力の可能性について相談した。 3)台湾の国立台湾大学から招聘され、日本の高等教育における複言語教育の現状について発表を行った。 4)学内他部局の企画したスロヴァキア関係の特別セミナーに討論者として参加し、スロヴァキア語の複数中心性および超国家性について討議を行った。 5)スロヴァキアの初等中等教育関係者とコンタクトし、今後の現地調査の段取りを整えた。
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Research Products
(4 results)