2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパ共通の言語政策とチェコおよびスロヴァキアの多言語性マネージメント
Project/Area Number |
22520548
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 聡 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (40198677)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 言語政策 / スロヴァキア / チェコ / EU / 欧州評議会 / 言語管理理論 / 移民統合 / ロマ人 |
Research Abstract |
本研究は欧州共通の言語政策に着目し、21世紀以降、EUや欧州評議会のイニシアティヴによって超国家的言語政策が検討され、その存在意義を増していることを確認した。またその際、チェコとスロヴァキアの言語状況、言語問題に特別な関心を向けた。中世以来、多言語性が社会的関心事であり、とりわけ近代以降は突出して政治的、思想的問題であり続けた両地域においても、表記がアクチュアルなテーマとなっていることが見てとれた。加えて21世紀以降、両地域における伝統的多言語性や特徴的と見なされてきた言語問題が劇的に変容しつつあることも確認することができた。ドイツ語というテーマの急速な衰退や、社会統合にむけた新たな課題としての移民問題、あるいはロマ人問題などはその一例である。理論面では、近年関心を集めている言語管理理論にも注目し、チェコの研究者らと交流を行った。 最終年度における具体的成果としては以下があった:1)東スロヴァキアの伝統的ユダヤ人コミュニティーに聞き取り調査を行い、従来移民児童の教育に用いられてきた言語ポートレートを利用してデータを入手した。2)同じく東スロヴァキアの若年層の言語ポートレートを入手した。現地の言語教育関係者の協力を得て、多言語性への気づきの授業となるよう腐心した。3)前年度にチェコと協力して実施した国際シンポジウムのとりまとめを行い、また同様の趣旨でシンポジウムを企画開催し、若手研究者にも成果発表を促した。 一方、年度内に予定をしていたスロヴァキアのドイツ系コミュニティーへの調査は先方の不幸等により実現しなかった。また、10月には研究代表者自身が重篤な病気となり、年度内の活動が不可能となった。予定していた現地調査のフォローアップ、カレル大との共同作業、新規補助金応募などが実現しなかったほか、執筆中だった成果報告も大幅遅延となった。幸い新年度からは再開に向け鋭意作業中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)