2010 Fiscal Year Annual Research Report
小中連携の英語教育における教員間の「協働性」に関する総合的研究
Project/Area Number |
22520568
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
横溝 紳一郎 佐賀大学, 留学生センター, 教授 (60220563)
|
Keywords | 小中連携 / 英語教育 / アクション・リサーチ / ナラティブ / 協働性 |
Research Abstract |
「小中連携の英語教育において、教員間の『協働性』がどのような形で発生し構築されていくのか」についてのプロセスを総合的に調査するために、本年度は以下のことを行った。 1. 小学校・中学校教員と研究代表者による、小中連携の英語教育についての打ち合わせ(4月19日) 2. 中学校教員に対する研修の実施(6月、8月、12月) 3. 小学校における外国語活動の授業に、中学校教員・地域住民がゲスト・ティーチャーとして協力(2010年5月~2011年2月で15回実施) 4. 小学校・中学校教員と研究代表者による、第2回目の小中連携の英語教育についての打ち合わせ(8月27日) 5. 小学校教員・中学校教員への聞き取り調査(2011年2月~3月) 「担任教師が主体となって授業を進めること」「共通教材としての『英語ノート』、及びその実施マニュアルへの対応」に関して、小学校教員間での温度差が大きく、そのことが中学校教員・地域住民の授業への関わり方の決定に影響を与えたため、本年度は協働的アクション・リサーチの実施は時期尚早と判断し、行わないこととした。その代わりに、小学校5・6年生の2年間と中学校3年間、合計5年間を見通したカリキュラムを、研究代表者と小学校・中学校教員と協働作成することになった。協働作成に向けた話し合いの中で、以下の点が明らかになった。 a. 学習指導要領に基づく形で小学校5・6年生の70コマのみの外国語活動を実施しても、中学校での英語の授業に直接つながるようなスキルの習得はあまり期待できない。 b. それ故、小中連携の英語教育の成功の鍵は、中学校でどのようなカリキュラムをデザイン・運営するかにあると考えられる(特に中学1年時)。 c. bを成功に導くためには、(1)小学校外国語活動の目的と実施方法への理解、(2)カリキュラム・デザインと教材分析等の能力、等が中学校教員に求められる。
|