2011 Fiscal Year Annual Research Report
英語による発表技能を高めるためのコミュニケーション方略指導
Project/Area Number |
22520577
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
岩井 千秋 広島市立大学, 国際学部, 教授 (60176526)
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Keywords | コミュニケーション / 方略 / 発表 / シラバス / ピア評価 / 第二言語習得 / パフォーマンス |
Research Abstract |
本研究は3年計画で、平成23年度は2年目にあたり、主に次を行うことを計画した。(1)研究代表者が担当する授業クラスにおいて、英語によるプレゼンテーションに関する実証研究を行うこと。(2)同じく、このクラスで英語表現能力を高める目的で実施している課題をデータ化して分析すること。(3)これらを通じて英語発表の実践指導を行い、研究代表者が代表世話役をしている英語による発表を目的とする大学間連携事業で学習者を実際の発表に導くこと。 (1)については、初年度に開発したソフトを利用し、他者による英語の発表パフォーマンスを、学習者がどのように評価するかを、実際の発表の様子をビデオサンプルにして複数準備し、学期の最初と最後で定量、定性の両面から比較した。分析の結果、発表者の受容能力について批判的な評価能力が統計的に有意に助長されることが明らかとなり、その結果を学会(JALT)で発表し、また学会後に査読付きのproceedingsに論文を投稿した。 (2)については、学習者に毎週課した課題(ジャーナルライティング)をデータ入力し、定量的な分析を行った。その結果、学習者の記載内容が、単なる趣味や日常的な出来事の記載から徐々に本格的な意見を述べてディスカッションするargumentativeな内容に変化することを確認し、指導法としての有用性を示した。この成果は北京で行われた国際学会(International Congress of Applied Linguistics,AILA)で発表した。 最後に(3)については、研究代表者が3年前に学会の支部(大学英語教育学会、中国・四国支部)の会員に呼び掛けてスタートさせたものであり、平成23年度には8つの大学が参加してイベントを行い、代表者の指導した学生もこれに参加した。こうした実践を全国学会(JACET)のポスターセッションで紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は初年度に開発したソフトを利用し、研究代表者の授業を受講している学生を対象に英語によるプレゼンテーションの評価を行う実証研究とアンケート調査を予定通り実施した。また、この授業で受講生に課している課題をデータ化して分析を行い、予定通り国際学会で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度は、他者によるスピーチを評価する学習者の受容能力に関する研究を行った。平成24年度が本研究の最終年にあたるが、本研究では、平成23年度の研究で確認された受容能力がどの程度、英語プレゼンテーションの産出能力に影響するかを検証する課題が残っている。最終年度は定性的な観点からこれを検証することにしている。
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