2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本語母語話者における英語のリーディング習得と書字認知方略の研究
Project/Area Number |
22520579
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Research Institution | Hokkaido Pharmaceutical University School of Pharmacy |
Principal Investigator |
山田 惠 北海道薬科大学, 薬学部, 教授 (40326559)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 第二言語習得理論 / 単語認知 / 書字音韻変換 / 語彙記憶 |
Research Abstract |
日本語母語話者の英単語の音読における書字音韻変換方法の特徴を検討した。英語の音節はC1VC2の綴りで典型的に表され、C1-オンセット、V-核、C2-コーダのGPCの対応と、VC2-ライムの下位の書字音韻対応関係を同時に含む。綴りの分節がこの下位の構造に則って行われるなら、大部分の英単語はほぼ正確な発音で読むことができる。偽単語の音読で調べると、日本語母語話者では大学1年生程度の英語語彙サイズで、この書字音韻変換のルールがほぼ習得されている。ただし、日本語母語話者の誤答は、C1Vでの分節と語末に適当な母音を補って読むC2+(V)(anaptyxis)の分節、すなわち母音書字音韻処理への母語日本語の影響を示すが、これは同時に正答でも書字音韻変換に母音調整のプロセスが加わっていることを示唆する。 そこで音節内の母音書字の処理方法を確認する目的で、中学校の英語教科書レベルの1音節英単語の音読を、C1とC1Vをプライムに用いて、英語母語成人との比較のもとに調べたところ、どちらの母語話者もC1V で処理が早くなることが示され(山田,2012)、これまでの検証とは矛盾する結果となった。これは英語母語話者では、綴りの重なりがより大きいプライムの効果として、従来の書字音韻変換理論を補足して説明される(i.e., Schiller, 2004)。 そこで、第1音節の綴りがCVとCVCの簡単な2音節英単語と、語頭のCVとCVCをプライムに用いて、英語母語話者との比較のもとに日本語母語話者の母音書字の音韻変換を調べた。英語母語成人は十分な語彙記憶をもとに変換するとされるのに対し、日本語母語話者は基本的には英単語の語彙記憶に基づいて読む。読みが困難になると限られた語彙記憶の中で各自が得ている書字音韻変換の方略を用いて変換する。母音書字の変換をも整えるこの方略は音読を通して発達すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)