2010 Fiscal Year Annual Research Report
方略的プランニングが作文タスクに与える影響の検証と効果的指導法の開発
Project/Area Number |
22520597
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
大和 隆介 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (60298370)
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Keywords | タスク / 方略的プランニング / 作文 / 指導法 |
Research Abstract |
本研究は、短時間の方略的プランニングが作文タスクに与える影響を実証的な手法で検証し、学習者の作文能力と自律性を向上させる効果的な授業モデルを開発することを目的としている。具体的には、1.わずかな時間でも事前プランニングを与えることが作文結果の向上に繋がるかの検証、2.「使用方略の指示」や「評価基準提示の有無」が、作文の流暢さ・正確さ・複雑さに与える影響の検証、を行った上で、3.作文の産出モデル(Kellog, 1996)を参考に、本研究の調査・実験から得られた知見に基づく授業実践を計画・実施し、その教育的効果を検証する。 平成22年度は、4コマの絵を見て物語を創作する作文タスクを行い、1.方略的プランニングの有無によりパフォーマンスに違いが生じるか、2.「評価基準の提示」によりパフォーマンスに違いが生じるかを検証した。大学1年生の2つのグループ(実験群12名;統制群16名)を参加者として2回の実験を行い、(1)タスク前に与えた短時間の自由プランニングが作文結果に及ぼす影響と(2)タスク前に与えた評価基準の提示が作文結果に及ぼす影響を、それぞれ「正確さ」、「流暢さ」、「複雑さ」の3つの規準で分析した。その結果、わずかな事前プランニングを与えることが作文結果の向上にプラスに作用すること、細かな指導を与えなくとも評価規準を提示しただけでも学習者の習熟度により相応の効果が期待できることが示された。 平成22年度は3か年の研究の初年度であるが、最終年度の終了の際には、TSIに基づく日々の作文指導を学習者の自律性を生かした効果的なものとするのに役立つ知見を提供できるようよう2年次以降の研究を遂行したい。
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