2012 Fiscal Year Annual Research Report
方略的プランニングが作文タスクに与える影響の検証と効果的指導法の開発
Project/Area Number |
22520597
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
大和 隆介 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (60298370)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 方略的プランニング / 作文タスク |
Research Abstract |
本研究は、短時間の方略的プランニングが作文タスクに与える影響を検証し、学習者の作文能力と自律性を向上させる効果的な作文指導の方法を考案することを目的とする。本年度は、「評価基準提示の有無」や「使用方略の種類」が、作文した英文の「流暢さ」「 正確さ」「複雑さ」にどのような影響を及ぼすかを、作文産出モデル(Kellog, 1996)における「内容構成(Formulation)」,「 筆記(Execution)」の区分に留意しながら検証した。 1.参加者:英語を専攻している大学生98名。2.材料:4コマ漫画を用いた作文タスク、タスク直後の方略調査。3.方法:参加者を4つの群に分け、異なる条件下で作文タスクを行った。具体的には、「内容構成」のプロセスにおける認知的負荷を異なるものにするため、4コマ漫画が揃った群と2・3番目を抜いた群とに分け、更に評価基準を与えた群と与えない群に分けた:A群(4コマ、評価基準有)、B群(4コマ、評価基準無)、C群(2コマ、評価基準有)、D群(2コマ、評価基準無)。4.分析:英文の「流暢さ」「正確さ」「複雑さ」を従属変数、「絵欠損の有無」「評価基準の有無」「使用方略使用」を独立変数とし量的分析を行った。5.結果:(1)方略調査で得たデータを因子分析した結果、参加者が4種類の方略(①時間管理、②形式への意識高揚、③意味への意識高揚、④タスクに対する興味)を用いていることが分かった。(2)作文結果に対して、「絵の欠損有無」は「評価基準提供の有無」よりも大きな影響を与えることが明らかとなった。(3)「絵の欠損の有無」と「評価基準提供の有無」の相互作用は4コマの絵が揃っている場合に幾らか認められた。 以上の結果より、認知的負荷が大きな状況で作文を行う際、評価基準を提供するだけでは作文の質に顕著な影響を与えず、タスクの難易度に留意する必要があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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