Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 麻紀子 神田外語大学, 外国語学部, 専任講師 (70512383)
鈴木 慶夏 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (80404797)
中西 千香 愛知県立大学, 外国語学部, 専任講師 (50548592)
西 香織 北九州市立大学, 外国語学部, 准教授 (70390367)
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Research Abstract |
「コミュニケーション能力を育成するための中国語教育」を目標に,当研究課題の研究者がこれまでに行なってきた研究を,さらに推進した。植村は,コミュニケーション機能や表現意図を中心とした文型一覧表を作成すべく英語教育の成果なども取り入れ,試作を進めた。鈴木は,コミュニケーションゴールからのバックワードデザインという手法で授業をデザインした結果,文型の定着度にどのような改善が見られたかを,実地に検証した。中西は,文型の選択がもたらす表現意図の相違と学習者にとっての難易度(構造の複雑さ)および「より自然な表現」という観点から,複数の言語現象を分析した。西は,社会言語学的観点から,中国語においてポライトネスストラテジーの選択が決定される尺度を,日本語のそれと対照し,その両者の間に明らかな違いのあることを明らかにする研究を行った。年度末に,以上の成果をまとめて発表し,ディカッションを行う公開ワークショップを開催した。このワークショップ『コミュニケーションのための「文法」を考える』では,初級段階の学習者の言語体系に関する知識で,どこまで表現意図の違いやポライトネスの違いを表現することが可能か,両者に齟齬がある場合,どちらをどう優先すべきかなどについて,参会者も交えて討論を行なった。このワークショップは多くの参加者を集め,当課題の研究者は,当課題が中国語教育関係者および中国語学関係者にとって重要な課題であることを再認識することができた。山崎は,このワークショップに関係する資料を含む当研究課題に関する情報を集約したウェブサイト『中国語コミュニケーション文法を考える』を開設・公開した。現在は,このウェブサイトへの情報の蓄積と,前述の公開ワークショップ参会者に定期的に情報提供メールを送信することにより,「中国語コミュニケーション文法」に関心をもつ研究者・教育者のコミュニティを作り上げることを目指している。
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