2012 Fiscal Year Annual Research Report
新しい文法教育のためのリアル・タイムと場面の制約にある言語形式の基礎的研究
Project/Area Number |
22520614
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
澤田 茂保 金沢大学, 外国語教育研究センター, 教授 (00196320)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | spoken language / 話し言葉の文法 / 節の融合 |
Research Abstract |
H24年度は、spoken language(以下SL)でのみ観察される統語的な節融合形式についての論文発表と、最終年度のまとめとして、全国レベルの学会が主催するセミナーでSLの文法論の教育への意味付けについての発表・講演を行った。 節融合(syntactic blends)は母語話者自身も気づいていないSLでの統語変容であり、大変興味深い現象なのでH22年度の研究発表で取り上げたが、今回は最終年度なので、よりデータを充実させて論考の形にまとめた。具体的には、節融合でも破格性の高いThat’s X is Yについて、発生しやすい文脈環境を分析して、その語用論的な働きをまとめた。また、日本英語語法文法学会主催の第8回英語語法文法セミナーで講演する機会があり、grammar for spoken language (GSL)のモデル構築の概略を示した。大学教員の他に中・高の現職教員や教員学生が対象であり、本研究の成果発表の目的の一つである教員研修等での還元が達成できた。 当初計画には、スポーツ中継などからデータ・ベースを作ることを構想していたが、ソースとして予定していたBS放送のスポーツ放送で原語音声がなくなったこと、また、スポーツ放送の英語は言語使用域の特徴を研究対象にする場合は有用かもしれないが、SL一般の特徴の分析に不可欠ではないと思われたので、BSでの報道ニュースを中心にスクリプトデータを作成した。一方、映画は78本を購入して、それぞれ10分程度のスクリプトデータを作成した。しかし、作業を通じて、映画は費やす時間の割りには実際の会話部分が少なく、むしろテレビ・ドラマの方がSLのデータとしては有用であることが分かった。 本研究の目的一つであったGSLのモデル構築に一つの筋道を与えて、今後の研究につなげられたのは大きな成果であった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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