Research Abstract |
平成23年度(研究2年目)においては,前年度の研究成果に基づき,本調査の実施と分析および調査結果を踏まえた授業実践と効果の検証を行った。また,現時点での研究成果について公表した。 1.本調査の実施と分析 本調査は,英文読解方略使用,動機づけ,一般学習観の関連性を検証することを目的に実施した。社会系,人文系,理科系専攻の学生300名程度を対象として,前年度開発した質問紙調査および読解力測定テストを行い,結果について総合的かつ多角的に分析した。具体的には,読解方略使用と動機づけや学習観などの情意的要因,および読解力との関連を全体傾向と個人差の観点から検討した。個人差の観点からは,読解方略使用,情意的要因,読解力の差異によって学習者をグループ化し,各グループに特徴的な読解プロセスの実態をより詳細に検討した。これら一連の分析により,読解方略使用と情意的要因がどのように関係しているのか,また読解方略使用や情意的要因が読解力にどう影響しているのかについて一定の理解を得た。 2.授業実践と効果の検証 本調査の実施後,動機づけ特性や一般学習観を反映した英文読解方略の指導を授業において実践し,読解力の向上をはじめ,その効果について検証した。授業実践はリーディング中心のクラスで実施し,方略変容を目的のひとつとする教育的介入をクラス全体および個別に行い,方略変容の過程,情意面での変化,および読解力の向上について調査した。効果の検証は授業実践の中間段階と終了後に段階的に行い,効果的な読解方略の特徴,教育的に介入可能な要因,ならびに各要因の発達的な特徴について分析した。 3.研究成果の公表 2編の研究論文を執筆(1編は採用,もう1編は査読中),3件の研究発表を行った。
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