2010 Fiscal Year Annual Research Report
言語間におけるライティング能力の双向性モデル:その応用と説明力
Project/Area Number |
22520622
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
RINNERT Carol 広島市立大学, 国際学部, 教授 (20195390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 ひろ江 広島大学, 総合科学研究科, 名誉教授 (50205481)
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Keywords | 議論文 / ライティングプロセス / テキスト特徴 / マルティコンピテンス / L2ライティング / L3ライティング / 転移 / ライティング能力 |
Research Abstract |
本研究の目的は、過去の研究結果に基づき構築された「言語間のライティング能力双向性モデル」を使用し、二つの外国語に堪能な書き手、"multicompetent writers"がどのように議論文を作成するか、そのテキストの構築プロセスとアウトプット及び影響を与える諸要因を明らかにすることである。本年度は計8名の被験者から作文24扁およびインタビューデータを収集した。その内訳は日本人4名と中国人3名、そしてフランス人1名である。日本人被験者からは作文作成プロセスを記録にとるためにthink-aloud protocols(頭の中にある思考を言語化したもの)をテープで収集し、その内の2名のデータ(英語、スペイン語、フランス語、日本語による作文作成)はケーススタディとして精査するためにすべてを文字化し、再度のインタビューでデータの内容を確認した。暫定的な分析では、(1)考えの創出、論理の構築の仕方やテキスト特徴の選択に個人差が見られるものの、第一/第二外国語による作文構築プロセスでは、母語や第二外国語の活発な使用、学習パターンの転移や3言語間にテキスト特徴のオーバラップ等(例、議論文のサブタイプであるjustification型やトッピクセンテンスの使用)、(2)作文構築プロセスに影響を与える要因として個人のライティング経験や訓練のヒストリー、第一/第二外国語能力レベル、言語の捉え方、高度な専門教育の有無などが観察された。今後は、日本人被験者間の比較を可能にするためにフランス語を第二外国語として学ぶ学生を追加し、またアジア人被験者としては韓国人学生数名含める計画である
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Research Products
(1 results)