2012 Fiscal Year Annual Research Report
言語間におけるライティング能力の双向性モデル:その応用と説明力
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22520622
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
RINNERT Carol 広島市立大学, 国際学部, 名誉教授 (20195390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 ひろ江 広島大学, 総合科学研究科, 名誉教授 (50205481)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 読み手意識 / ジャンル知識 / テキスト構築モデル / テキスト特徴 / マルティコンピテンス / マルティリンガルライター / L1ライティング / L2ライティング |
Research Abstract |
24年度(最終年度)の研究目的は、研究対象を大学生から大学の研究者に移し、以下の点を明らかにすることである: (1)文章(例、論文や啓蒙書)を書く時、研究者は読み手をどのように捉えているか、(2) この読み手意識はどのような要因と関係するのか、(3)研究者の書く文章にはどのような特徴があるか、特にL1(母語)とL2 (主に英語)で書かれたテキストの間に共通する特徴と違いはあるか。データ収集の方法は、参加者へのインタビュー(一人につき6時間)、アンケート、本人から母語と英語の過去論文および著書を提出してもらった。参加者は日本人4名とドイツ人1名の計5名(男性1名、女性4名:年齢、30∼50代)、異なる専門分野(例、文学、社会学、歴史学)から各1名、研究経験の浅い者から経験豊富な研究者を含む。分析は現在進行中であるが、現在までに以下の点が判明した。(1)研究者がもっている読み手意識は大きく二つに分類される。一つは特定の専門分野における読み手ともう一つは分野には限定されない一般的な読み手である。 (2) 研究者が文章を構築する時、最も強く意識するのは読み手であるが、この読み手は、専門分野、言語の違い、書く目的、トピックなど様々な要因と関連している。(3)特に、日本語と英語の読み手の違いは顕著に意識され、異なるテキストの特徴として表れている。日本語では緩和表現や質問スタイルが使用され、英語では主張を明確に、多様な語彙の使用が観察される。両言語の共通テキストの特徴としては、全体の構成やパラグラフの首尾一貫性等が見られる。過去の研究からL1とL2によるテキストの特徴がどのくらい重なるかは書き手によって異なることが分かっているが(2012)、本研究でも同じ傾向が見られる。結果は本研究者が提唱しているL1とL2テキスト構築モデルによって十分説明されることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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