2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520631
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
鈴木 広子 東海大学, 教育研究所, 教授 (50191789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PETER Collins 東海大学, 教育研究所, 准教授 (10307241)
GARY Fine 東海大学, 教育研究所, 准教授 (70515022)
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Keywords | 英語教育一般 / ドラマ教育 / 人間教育 / identity / コミュニケーション能力 / 状況論 |
Research Abstract |
本研究は、英語教育に教育ツールとしてドラマ・パフォーマンスを使い、コミュニケーション能力の育成を目的とした教育開発を目標としている。平成22年度は、人間教育の観点から、他者との関係性の構築およびコミュニケーションの過程を分析していくこと、また、国内外でドラマ教育を視察することが目的であった。 教育実践における学習者の英語、学びの質、学びへの姿勢の変化についての質的分析は、その結果の中間報告として、国内の学会および研究会で口頭発表を行い、論文を執筆した(「11.研究発表」参照)。具体的には、筆者らの所属機関が毎年8月に選抜高校生を対象として行っている「学園オリンピック」という行事において、今年度の英語部門のプロジェクトは、筆者らが企画、制作し、研究分担者の1人であるFineが教育実践のリーダーとして、プロジェクトを遂行した。一週間の合宿形式で行われたプロジェクトは、ビデオ録画し、プロジェクトの前後で英語に対する意識調査および英語力のアセスメントを行った。高校生がプロジェクト中に書いたリフレクション・リポートおよびワークシートを加え、全てのデータを統合的に解釈して、2人の高校生のケース・スタディを行った。関係性の構築が、学びの姿勢だけでなく、英語・コミュニケーション・スキルも向上することを実証的に明らかにすることができた。 3月には、沖縄とニューヨークでドラマ教育を行っている教育機関を視察した。沖縄では、地域づくりを目的としたドラマ・プロジェクトについて、資料収集とインタビューを行った。4つの村が統合した市の住民が参加し、またドラマの内容に文化や歴史を織り込むことによって、文化の継承および市民の仲間意識の確立を目的とした実践について、ドラマの新たな役割を認識できた。ニューヨークでは、初等・中等教育レベルの生徒のコミュニケーション能力を育成する画期的なプログラムを参与観察することができた。ドラマのスキットを子どもが書き、プロの俳優が本格的な劇場で演ずることで、子ども達の思いをパフォーマンスに投影させるといった斬新な教育方法も、直接関与観察することができた。視察の成果は、次年度の教育開発に活かしていく。
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Research Products
(7 results)