2012 Fiscal Year Annual Research Report
メタ認知促進のための学習支援法の開発と実践的活用に関する統合的研究
Project/Area Number |
22520632
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
大崎 さつき 創価大学, 文学部, 准教授 (70546366)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 成代 創価大学, 公私立大学の部局等, 講師 (40460092)
中山 夏恵 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 准教授 (50406287)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | メタ認知 / 自律研究 / 動機づけ研究 / Can-doリスト / ディクトグロス |
Research Abstract |
平成22年度は低学力学習者にはほとんどメタ認知能力が備わっていないということを明らかにし、それを可視化するためにメタ認知的活動の様子を習熟度別に図式化した。昨年度は図式化したことで明確になった低学力学習者のメタ認知プロセスの欠如を埋めるために、読解時の辞書使用に使うためのCan-doリストを開発した。本年度は開発したCan-doリストの実証的研究として読解時にこのCan-doリストを学習者に与えてその影響を検証した。その結果、習熟度に関わらずCan-doリストの使用が学習者に自らのメタ認知的活動を振り返る機会を与えている様子が観察された。特に低学力学習者にCan-doリストによりメタ認知的知識を意識的に活用しようとする姿勢が見られた。つまり、低学力学習者にとってCan-doリストの存在が「足場かけ」の役割を果たしておりメタ認知能力を向上させる可能性があることがわかった。また、メタ認知促進のためのひとつの方法としてディクトグロスという学習活動を中心に実施してきた研究については、異なるレベルの学習者を対象とした5つのクラスにおいてディクトグロスを実践し、それぞれのクラスで見られた学習者の「気づき」を質的に分析することで学習者のレベルに合わせたディクトグロスの実践方法を開発した。最後にこのディクトグロスもCan-doリストも単発で終わらせるのではなく、繰り返し行うことが大切である。繰り返すうちに学習者自身が活動に慣れ、自分の学習活動を振り返る余裕が生まれる。地道に活動を続けることで、学習者の中に言語習得につながる「気づき」が生まれてくるということを教師も学習者も忘れてはならない。これら2つのメタ認知能力向上のためのツールが、自律した学習者を育成するための学習支援ツールとして、また、学習意欲を喚起するために教員が使用する支援ツールとして今後の英語教育の一助となることを願っている。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|