2011 Fiscal Year Annual Research Report
短期語学研修を含む通年型英語学習プログラムにおける学習ストラテジー指導の効果
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22520633
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
尾崎 秀夫 創価大学, 文学部, 准教授 (80339762)
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Keywords | 英語 / 英語教育 / 学習ストラテジー / 短期語学研修 |
Research Abstract |
I.日本語版Strategy Inventory for Language Learning(SILL)改訂作業の終了 平成22年度明らかになった日本語版SILLの項目のうち、問題のある個所の日本語訳の訂正、削除、統合等を行った。ただし、英語版の6つのカテゴリーはそのまま維持した。できあがった質問票を私立大学の学生268人に回答してもらい因子分析を行ったが、記憶と認知ストラテジーの2カテゴリーについて齟齬が生じたため、因子負荷の低い項目を削除し、両者を統合し一つのカテゴリーとして扱い、再度強制的に5つの因子を抽出したところ、問題なく5つの因子に分類できることを確認した。これをもって、日本語版SILLの改訂作業は終了とした。 II.学習ストラテジー指導を組み込んだ授業シラバスの作成 夏季短期語学研修で用いられる教材と連動する教材を選定した。選定した教材は大きく分けて3種類となった。それらは基礎力養成用、基礎力定着用、応用発展用である。合わせて、それぞれの段階にどの学習ストラテジーを導入、トレーニングする活動を考案したが、さらに改良を加える必要が生じた。 III.プロフィシェンシーテストの実施 短期語学研修の前後、7月と9月に被験者はTOEIC-IPを受験した。両方を受験した被験者は全体で10人と少なかったが、t検定を実行した。7月と9月の平均点の差は116点と大きかったが、有意な差は認められなかった。ではあるが、短期間の間に大幅な上昇を確認できたことから、語学研修の効果の一面を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本語版SILLの改訂作業は終了したが、学習ストラテジー指導を組み込んだ授業シラバスの作成に遅れが出ている。教材の選択に時間がかかったことと、採用した教材に沿うよう学習ストラテジー指導を付加していく作業に相当の独創性を要するためである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究推進に変更点はなく、計画どおり進めて行く。学習ストラテジー指導を組み込んだ授業シラバスについては、学習ストラテジー指導を組み込む前の、通常授業用シラバスの概略を描き、その作業を土台に、必要とされる学習ストラテジー指導を組み込むように考えていく。研修中の学習者の会話分析を行いどのような学習ストラテジーの使用が見られるか検証する。研修前にも録音録画による会話分析を行い、研修中の会話との比較を経て学習ストラテジー指導の効果を探る。同時に改訂した日本語版SILLを研修前、研修後に実施し、学習ストラテジー使用の範囲や頻度を把握し、ジャーナル分析と合わせ、総合的に学習ストラテジー指導の効果を浮き彫りにしていく。
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