2012 Fiscal Year Annual Research Report
日英対照マルチモーダル音声対話データベースの構築-応用認知言語学の観点から
Project/Area Number |
22520635
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
谷村 緑 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (00434647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 悦子 三重大学, 人文学部, 教授 (00240276)
仲本 康一郎 山梨大学, 留学生センター, 准教授 (80528935)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 課題遂行対話 / マルチモーダル / 説明の方略 |
Research Abstract |
2012年度の目標は,英語学習者にとって望ましい相互行為的な対話の構造と言語表現を探ることである。この目標を達成するために,日常会話における基本的なコミュニケーションスキルの一つに当たる「説明の方略」(Antaki 1994) という観点から,英語母語話者のペアと学習者のペアのレゴブロックを用いた課題遂行対話データを比較・分析した。分析の手段としては,Carletta et al. (1997) で提案されているdialogue structure coding (対話構造コーディング) のmovesを利用した。 結果,instruct move (例:青のブロックを黄色のブロックの上に置いて) において,学習者では,take,make,pick,grab の使用が顕著に見られた,これはモノを移動させるための過程を示す動詞を使用して共同注意の対象を導入し,確立後に,実際の行動に移るといる日本語の対象物の導入の方法が影響していると考えられる。一方,英語母語話者には,put,place,pushなどモノが移動した結果を示す動詞の使用が多くみられた。explain move (例:青のブロックは黄色のブロックです) では,英語母語話者が状況を説明することで,結果として,相手に動作を促す方略を用いていることが明らかになった。また,情報提示パタンでは,英語母語話者は,instruct + explain, explain + explain のような情報提供の仕方で情報補強を行っていた。 これらの結果は,英語母語話者は説明の構造的なパタンを有すること,目的によって説明の仕方を調整することができることを示している。一方,学習者にはこれらの構造的なパタンが欠如しているため,語やフレーズを繰り返したり,ターン交代を頻繁に行ったりすることで,情報の欠如を埋め合わせていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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