高専生の特徴を生かした効果的な英語語彙学習のための調査研究

2012 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 22520641
• Research Institution: Kisarazu National College of Technology
• Principal Investigator: 瀬川 直美 木更津工業高等専門学校, 人文学系, 准教授 (00280321)
• Project Period (FY): 2010-04-01 – 2014-03-31
• Keywords: 語彙習得 / 語彙学習 / 学習環境 / WEB学習 / COCET3300 / 学習意欲 / 英語学習の動機づけ / 高専（理工系）の学生の特徴

Research Abstract

一つめの調査研究である「より効果的な語彙獲得のための学習方法や指導方法」について、本研究者の学習者を対象にして行った。これまでの語彙学習は、授業中に指導するというよりも、単語テストを実施するために範囲を決め、各個人の自学習として実践してきたが、「その場限りのテストのための勉強」となりがちで、語彙の定着につながっていないことが明らかにされた。そこで、本調査では、語彙学習のための時間（７，８分）を授業時間の中に組み入れ、「書く」作業を中心に行うように指導した。特に低学年には効果的であることが明らかになった。次年度の調査では、「書く」に加え、「読む」ことも実践し、より効果的な語彙の定着を目指すつもりである。
本年度予定していた二つめの調査研究は、全国の高専を訪問し、実際にそこの高専の学生にインタビューなどを行い、各高専の地域性（学習環境）と学生の英語学習や英語能力との関連性を明らかにするものであった。この調査は、本研究者が出張に行くことができず、メールや電話での先生方とのやりとりのみしかできなかった。次年度に実施するためのより具体的な計画をたて、準備することができたので、次年度は、実際にこの計画を実行していく。
本年度は、途中で中断していた研究を年度途中から再開し、それまで取り組んでいた状況などが異なっていたこともあり、なかなか計画通りに調査や研究を進めることができなかった。次年度は、本年度にやり残している調査を早めに仕上げ、本年度の調査を計画的に進め、本研究の集大成となるようしっかり取り組んでいきたい。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

年度途中の８月に育児休暇から復帰し、研究も再開させたが、慣れない育児と仕事との両立で、毎日の授業を行うことがせいいっぱいになってしまい、研究に費やす時間がなかなか取れなかった。それに加え、当初の計画で行う予定だった学習者の調査は、対象となる学生を授業担当者としてもつことができず（後期から授業を担当することになったこともあり）、実践できなかった。さらに、ＷＥＢ教材の廃止や語彙集の改訂などもあり、当初計画していた調査での使用教材も変更する必要があり、その切り替え準備に時間を割いてしまった。
２４年度からは、各高専を訪問し、高専の地域性や学生のおかれた学習環境と英語を学習する動機や実際の学習実態を調査する予定であったが、宿泊を伴う出張することができず、メールや電話での調査となってしまい、必要なデータがまだ不十分な状態である。

Strategy for Future Research Activity

前年度にやり残した調査を早めに終え、研究最終年度となるH25年度は、高専関係の学会を中心とした研究会でその成果を発表したり、冊子にまとめて各高専へ配布するなど、本研究成果の集大成を行うつもりである。今年度取り組む調査は以下のような時期や期間で実施する予定である。
新年度の授業が始まる前までに、改定された語彙集の学習の進め方や各学年の学習する単語の割り振りを行い、ＷＥＢ教材への登録などを済ませる（４月初旬）。提案する語彙学習を学生に実施し（４月から２月初旬まで）、４回の中間・定期試験（６月中旬、９月末、１１月末、２月初旬）のテストの成績をデータ化（２月末まで）し、語彙学習に関するアンケートを学生に実施（学年末試験終了後の２月中旬）する。学生の成績のデータやアンケートから得られた回答を分析し、新しく提案する語彙指導の効果と学習の成果を実証し、冊子などにまとめ、研究発表の準備などを進める（３月中）。また、夏休み（７、８月）の長期休暇中に、実際に各高専を訪れ、学生や先生方に直接インタビューなどを実施する調査を計画している。