2010 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀から20世紀初頭の豪州における白人性の形成と日本(人)に関する基礎的研究
Project/Area Number |
22520643
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
村上 雄一 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (10302316)
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Keywords | オーストラリア / 日豪 / ディーキン / ホワイトネス |
Research Abstract |
本研究の具体的な目的は、主に19世紀後半から20世紀初頭のオーストラリアにおける日本(人)イメージがアングロ・ケルト系オーストラリア人のホワイトネス形成に重大な与えた影響を与えた、オーストラリア史を代表する政治家であるアルフレッド・ディーキン(Alfred Deakin,1856-1919)を軸に考察し、基礎的な白人研究および日豪関係史の一端を担うことである。 初年度の交付期間内であった平成23年1月にはオーストラリアにおける大洪水が、そして、同年3月には東日本大震災が発生したために、止む無く、オーストラリアでの文献や史料・資料の収集を延期したが、同年9月にオーストラリア連邦クィーンズランド州ブリスベンにあるクィーンズランド大学附属図書館を中心に、以下の3点に関する基礎的な文献や史料等を調べ、収集した。 (1)1870年代に設立される「オーストラリア出生者協会」(Australian Natives' Association、以下ANAと略記)と1880年代からヴィクトリア植民地を中心に本格的に政治活動を始めるディーキンとの関係を、特に、反有色人移民運動と連邦結成運動の視点から考察し、それが日本(人)イメージの形成に与えた影響の解明 (2)オーストラリア連邦成立から1900年代におけるドミナントなアングロ・ケルト系オーストラリア人集団における日本(人)イメージの形成、並びに、同集団のホワイトネス形成にディーキンが与えた影響の解明 (3)それらに依拠した形でディーキンが1900年代のオーストラリアの国防や外交政策に与えた影響について解明
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