2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520646
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
鳥井 裕美子 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (50180203)
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Keywords | 日本史 / 国際交流史 / 外国語 / 蘭学 / 前野良沢 |
Research Abstract |
本研究は、申請者(研究代表者)が一人で前野良沢に代表される草創期蘭学の和文・欧文資料と文献を収集・研究し、国際交流史の一環としての草創期蘭学め実態と全体像を解明しようとするものである。 平成23年度は、22年度の成果と積み残しを踏まえ、前野良沢の伝記資料をさらに収集すべく、良沢の師青木昆陽および門人大槻玄沢の業績とオランダ語資料を分析した。 そして良沢の訳述したロシア史関係書(「魯西亜本紀」等)を原書と対校して、内容を検討した。また8月にはオランダのハーグ王立図書館、国立文書館、ライデン大学図書館、ユトレヒト大学図書館等で草創期蘭学の原書となった蘭書・関連資料を調査・収集し、アムステルダムではオランダ東インド会社の関係史跡の巡見も行った。 ロッテルダムの教育博物館の教科書展示も、蘭学との関連で非常に有意義であったし、従来研究がほとんどなく、間違った情報がまかり通っている「魯西亜本紀」の原書の著者や出版事情についても、正しい情報を収集することができたのは大きい。江戸時代のロシア問題に対処するための一次資料であった「魯西亜本紀」の性格を把握する上でも、これは重要なことだと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前野良沢のロシア史研究を近世の日露交渉史に正しく位置づけるべく、「魯西亜本紀」と原書との対校作業を進めているが、原書があまりに膨大なため、研究成果を論文にまとめることが遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策であるが、遅れている蘭原書と翻訳との対校作業を進めると同時に原書のオランダでの位置づけを確認、前野良沢のロシア研究について論文をまとめ、これまでに各地で収集したまま、十分解読できていない資料は分析・検討して、最終年度には前野良沢評伝が完成できるよう努力
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Research Products
(1 results)