2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520649
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
岡本 充弘 東洋大学, 文学部, 教授 (40113930)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 歴史叙述 / グローバリゼーション / ポストモダニズム / 近代国民国家 / モダニティ |
Research Abstract |
今年度が最終年度であった本研究の基本的な目的は、グローバリゼーションの進行の中で歴史認識・叙述が行われる単位が、その集団的な枠組みを変容させつつあること、および歴史認識や叙述における個人の役割を再評価するようになっていることの意味を考察していくことである。こうした問題意識にたって、研究代表者は本研究において、グローバリゼーションの進行過程の中で生みだされている歴史意識の脱ナショナル化を、個人を起点にして考えるとどのようことが問題として設定できるかという問題を考察した。 そのさい研究代表者が重視したことは、そうした問題について広く国際的な歴史研究者と意見を交換していくことである。本年度は研究代表者が同じく代表者を務める東洋大学人間科学総合研究所プロジェクト「トランスナショナル・カルチュラルヒストリーの今後」(予算額138万円)が招聘した平成24年10月のピーター・バーク招聘セミナー、24年7月に韓国の梨花女子大学で開催されたアジア世界史学会(AAWH)、9月にリンツで開催された国際社会労働史学会(ITH)、平成25年1月にニューオリンズで開催された第126回アメリカ歴史学会などに参加し内外の研究者と意見を交換し、問題の解明に努めた。 また最終年度にあたる本年度においては成果の公表に積極的に務めた。前述のピーター・バークの講演「情報の多すぎた時代、少なかった時代」を松原俊文との共訳で『東洋大学人間科学総合研究所紀要』第一五号に訳出したのをはじめ、本研究課題の内容を要約するものとして「開かれた歴史へ―言語論的転回と文化史」を『歴史評論』誌上に発表し、これに従来研究代表者が公けにしてきた諸論文をくわえるかたちで論文集『開かれた歴史へ―脱構築のかなたにあるもの』(全250頁)を御茶の水書房より刊行し、本研究が課題とした歴史の共同性への疑問と個人から見た歴史の可能性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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