2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520658
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
井村 哲郎 国際日本文化研究センター, 研究部, 特任教授 (50303095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東山 京子 中京大学, 社会科学研究所, 特任研究員 (80570077)
小都 晶子 国際日本文化研究センター, 研究部, 特任助教 (00533671)
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Keywords | 日本史 / 慣行調査 / 旧慣調査 / 日中関係史 / 占領地統治 |
Research Abstract |
本研究は、台湾総督府が行った台湾旧慣調査、満鉄調査課が行った満洲旧慣調査、満洲国の行った土地慣行調査、満鉄調査部と満鉄の華北、華中の出先機関の調査部門(北支経済調査所、上海事務所調査室、など)が東亜研究所に協力して行った「支那慣行調査」、そして日中戦争末期に天野元之助等満鉄調査部員が行った海南島における慣行調査について、それらの立案、調査経緯、調査の問題点を明らかにし、それぞれの調査の継承性と発展過程を明らかにすることをめざしている。 平成23年度は、本研究の第2年度であったが、初年度に引き続き国内の史資料の収集、および中国、台湾での現地調査による資料収集を行った。 研究代表者井村は、天野元之助が日本敗戦後に大連で執筆した海南島慣行調査の報告書「瓊崖旅寓雑記」の複製を入手した。さらに中国・海南省梢案館、海南省図書館での現地調査を実施し、海南島慣行調査の関連資料の複製を入手した。他に富山大学、新潟大学で資料調査を行った。また入手済みの東亞研究所第六調査委員会の「支那慣行調査」に関する文書史料の整理を行い、論文「『支那慣行調査』経緯」執筆の準備を行った。 研究分担者東山京子は、台湾・国史館台湾文献舘で台湾旧慣調査会に関する史料を収集した。東山は、本研究に関連する「『台湾総督府文書』の構造と特徴」、「台湾領有初期における対原住民政策-深堀安一郎探検隊と長野義虎意見書からの一考察-」など論文を発表した。 研究分担者小都晶子は、中国・藩陽の遼寧省档案館、遼寧省図書館、東京大学東洋文化研究所図書館、協同組合図書資料センターで、満洲における旧慣調査およびそれに関連する土地・農村関係資料の調査と資料収集を行い、満州国における旧慣・慣行調査に関わる論文執筆の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この2年間で、本研究のための基礎的資料の収集をほぼ終えた。最終年度である次年度には関連する資料の補充調査を行うが、それらをあわせて本研究のとりまとめにとりかかることが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は3年間の予定でスタートし、次年度が最終年度である。これまで、国内、中国、台湾で調査を行ってきた。次年度には、引き続き台湾、中国での補充調査を実施する。井村は、広東省梢案館、遼寧省档案館などで、東山は台湾の国史館台湾文献館で関連資料の調査収集を行う。小都はアメリカ議会図書館とフーバー研究所において関連資料の調査を行う。それらをふまえて、各自がこれまでに収集した資料の分析を行い、研究論文執筆の準備を行い、本研究を完成させる。
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Research Products
(2 results)