2012 Fiscal Year Annual Research Report
経典目録よりみた古代国家の宗教編成策に関する多面的研究
Project/Area Number |
22520659
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中林 隆之 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (30382021)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 真 花園大学, 文学部, 講師 (90507138)
遠藤 慶太 皇學館大学, 付置研究所, 准教授 (90410927)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 経典目録 / 正倉院文書 / データベース / 章疏 / 漢籍 / デジタルアーカイブ |
Research Abstract |
最終総括年度である本年度は、前年度から継続していた8~10世紀の経典目録群の分類・整理・データ入力をさらに進めた。またそれらをふまえた総括研究を進め、I研究の成果(概要)・II論考編・IIIデータ編からなる研究成果報告書をまとめることが出来た。 報告書では、研究代表者が、①当該期の寺院・僧侶の所蔵する経典類の管理とその国家的捕捉の大枠を俯瞰する論考と、②南都六宗の作成した「布施勘定帳」と10世紀初頭の「五宗録」とを比較検討し、国家主導で整備された学僧組織たる六宗が、平安期の自律性を有した諸宗へと変容していく過程やその教学的特徴の推移を明らかにした論考を提示した。また研究分担者の遠藤慶太は、漢籍および仏典の、資財としての管理の特質を示す論考をまとめた。さらに、研究分担者の後藤真は、IIIデータ編に収録された目録群の諸データを活用しそれをWEB上に公開するために、SOMODA(正倉院文書データベース)に替わる新たなデジタルアーカイブ手法(正倉院文書トピックマップ)の構築に取り組み、その意義・方法・課題を提示する論考をまとめた。 なお、IIIデータ編収録のデジタルデータについては、後藤が主導して試験的・限定的にWEB上に公開することが出来た。 以上の結果、経典目録群の検討から古代国家の仏教を軸とした宗教教学編成策の大枠的推移を明らかにするという当初の目的はおおむね達成できた。また経典目録群の内容データのWEB上の公開という目標も、部分的・試行段階ではあるが一応成し遂げた。 ただし目録群の整理作業とその公開はまだその途上である。また本研究の成果を踏まえると、古代~中世の知識・思想的リソースとその系譜・国際的環境の大枠的把握と、その成果の学会での共有のために、当該期の史料にみえる目録・書籍群の悉皆的調査とそのデジタルアーカイブ化の必要性が、さらなる課題として浮かび上がってきた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|