2010 Fiscal Year Annual Research Report
播磨国風土記の現地調査研究を踏まえた古代地域社会像の提示と方法論の構築
Project/Area Number |
22520669
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂江 渉 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (00221995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古市 晃 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (00344375)
高橋 明裕 立命館大学, 文学部, 非常勤講師 (90441419)
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Keywords | 播磨国風土記 / フィールド・ワーク / 神話・伝承 / 交通 |
Research Abstract |
本研究の目的は、播磨国風土記の史料校訂を踏まえた徹底的な現地調査を行うことにより、古代地域社会像の実態解明とその方法論の構築をめざす点にある。本年度の研究実績は以下の通りである。 (1)主たる現地調査を3回実施し(2010年6月12目、10月9日、2011年3月26日)、『播磨国風土記』の讃容郡邑宝里室原山条(石灰を出すとの記事)、宍粟郡柏野里敷草村条(鉄を出すとの記事)、揖保郡林田里稲種山条の内容についての知見を深めた。とくに稲種山比定地の峰相山とんがり山については、地元研究者の協力を得て、頂上近くに二つの磐座があることが判明し、この山が現在も信仰の対象になっている事実を確認することが出来た。 (2)現地調査を踏まえた研究分担者会議を3回催し、とくに6月と10月の会議では、播磨・出雲間の交通・交流に関する集中討議をおこなった。その成果を研究代表者である坂江が、風土記研究会(2010年9月)、日本考古学協会2010年兵庫大会(2010年10月)、条里制・古代都市研究会(2011年3月)などの各学会において発表した。これにより播磨国風土記研究の現状と課題について、歴史学関係者のみならず、国文学研究者、考古学研究者、地理学研究者らとともに共有することができた。 (3)播磨国と但馬国との交流の問題については、研究分担者の古市が研究をすすめ、その成果の一端を「文献からみた古代の但馬と朝来」と題して報告した(2011年1月)。 (4)平成19年~21年度科学研究費補助金・基盤研究(C)「播磨国風土記を通してみる古代地域社会の復元的研究」の成果報告書の改訂版を2010年8月に刊行した。これを兵庫県内の古代史関係者等に配付して中身について意見等を聞くことにより、本研究の課題や問題点を洗いだすことができた。
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Research Products
(13 results)