2011 Fiscal Year Annual Research Report
播磨国風土記の現地調査研究を踏まえた古代地域社会像の提示と方法論の構築
Project/Area Number |
22520669
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂江 渉 神戸大学, 人文学研究科, 特命准教授 (00221995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古市 晃 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (00344375)
高橋 明裕 立命館大学, 文学部, 非常勤講師 (90441419)
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Keywords | 播磨国風土記 / フィールド・ワーク / 神話・伝承 / 国占め / 交通 |
Research Abstract |
本研究の目的は、播磨国風土記の史料校訂を踏まえた現地調査をおこなうことにより、古代地域社会像の実態解明とその方法論の構築をめざす点にある。本年度の研究実績は以下の通りである。 (1)主たる現地調査を7回、研究分担者会議を3回実施した。今年度は当初の予定通り、風土記にみえる他国との交流、および中央政治勢力と播磨国との「交通」に関する史料の共同調査研究をすすめ、とくに播磨-出雲間の交通実態の解明、播磨-摂津間の交通をめぐる基礎的分析をおこなった。その成果の一部を研究代表者の坂江が、島根県古代文化センター刊『古代出雲の多面的交流の研究』において、「播磨国風土記からみる出雲・播磨間の交通と出雲認識」と題する論文として公表した。 (2)本研究の成果と課題に関する「中間総括」を坂江がおこない、国立歴史民俗博物館共同研究「新しい古代国家像のための基礎的研究会」において、「播磨国風土記からみた古代の西播磨~揖保郡を中心に~」と題する報告をおこなった。また坂江が、『風土記研究』35号において、「歴史学研究からみた『播磨国風土記』研究の可能性」と題する論考を書いた。 (3)『播磨国風土記』の讃容郡条および神前郡条の「国占め」神に関する地名説話の分析をすすめ、現地比定調査をおこなうとともに、播磨国における最高の地方神「伊和大神」の歴史的位置づけに関する研究をおこなった。このうち現地比定をめぐる基礎的調査の成果の一部については、坂江・古市・高橋が、神戸大学大学院人文学研究科地域連携センター編『ふくさき再発見』において、「『播磨国風土記』の世界をたずねて~『播磨国風土記』神前郡条の研究~」として発表した。 (4)古代の播磨国に関連する出土文字資料に関する須恵器調査(神戸市神出鴨谷2号窯出土のヘラ書き文字資料)を兵庫県立考古博物館の学芸員とともにおこない、播磨国おける「王」姓をめぐる新たな知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者と研究分担者間の連絡を密にとり、当初の計画の通り、調査研究をすすめたから。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで通り、研究代表者と研究分担者間の連絡を密にとり、当初の予定通りの計画を遂行させる。
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Research Products
(8 results)