2012 Fiscal Year Annual Research Report
播磨国風土記の現地調査研究を踏まえた古代地域社会像の提示と方法論の構築
Project/Area Number |
22520669
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂江 渉 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (00221995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古市 晃 神戸大学, その他の研究科, 准教授 (00344375)
高橋 明裕 立命館大学, 文学部, その他 (90441419)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 播磨国風土記 / 現地調査 / 共同体 / 国占め神話 / 祭祀儀礼 / 交通 |
Research Abstract |
本研究は、播磨国風土記の現地調査研究をおこなうことにより、古代地域社会像の実態解明とその方法論の構築をめざすことを目的とした。本年度は主たる現地調査を3回、共同研究会を2回開催し、そのうち3月16日には、まとめの研究会をもった。3年間の研究期間を通じて、つぎのような成果を得た。 ①現地調査を重ねることにより、播磨国のうち、揖保・讃容・宍禾・神前の4郡の風土記地名の新たな現地比定をおこなうことができた。その成果を別途刊行の報告書、「播磨国風土記の現地調査を踏まえた古代地域社会像の提示と方法論の構築」に公表した。 ②「国占め」神話史料群の分析をすすめ、これらの神話断片が村落レベルの族長層の地域支配に関わる祭祀儀礼の内容を解明できる史料であることを明らかにした。その成果を研究代表者の坂江渉が、『国立歴史民俗博物館研究報告』179集に公表する予定である。 ③「播磨国風土記」にみえる王族伝承や吉備・葛城・火明命系の氏族伝承を素材にして、大化前代の播磨の政治構造や、倭王権による支配過程の中身を明らかにした。研究分担者の古市晃がその成果の一端を『日本史研究』606号に公表した。 ④「播磨国風土記」の他国との交通・交流に関わる史料にもとづき、播磨国と他地域(とくに出雲・但馬等の日本海側の諸国と吉備地域)の交通関係の実態と、その具体的な交通ルートの解明をおこなった。その成果について、研究代表者の坂江渉が「条里制・古代都市研究」27号において公表し、また研究分担者の高橋明裕が、第19回総合学術研究集会特設分科会において、「古代吉備の環境と歴史」と題する報告をおこなった。また古代国家の対外交通時における海人(海部)の編成・動員のあり方について、坂江渉が分析をすすめ、その成果の一端を、三宅和朗編『環境の日本史2』(吉川弘文館)において、「ミナトの自然環境と神祭り」と題して公表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)