2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520671
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
藤本 清二郎 和歌山大学, 教育学部, 教授 (40127428)
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Keywords | 日本史 / 近世 / 賎民制 / かわた身分 / 解体過程 / 畿内・近国 / 紀伊国 / 牢番頭仲間 |
Research Abstract |
本研究では、3カ年度にわたり、紀州のかわた身分制の解体過程を解明するため、史料を収集(解読・データ化)することが計画の基本にある。 1、初年度は、紀州牢番頭家文書の内、(1)関学図書館保管分・(2)関学法制資料室保管分・(3)吉備家所蔵分について、マイクロフィルムからCDを作成し、パソコンで解読出来るように整備した(フィルムからの紙焼きは困難な状況であることが判明した)。 2、CDを活用し、「近世後期における「かわた」身分の共同体や仲間の変化の分析」(研究目的記載事項)に関わる史料約100点の解読、データ入力、あるいは入力データの点検を行った。 3、牢番頭家文書以外の、城下近隣のかわた村関係など、紀州藩領内の関係資料10件を新たに発掘し、解読して入力した。これらはいずれも研究目的記載事項に関連する内容の史料である。 4、本研究は解体過程に比重を置いているが、その前提として従来からかわた身分制の社会構造の研究を進めてきた。本研究に関連した業績として、今年度牢番頭家文書を活用して、『近世身分社会の仲間構造』(2011年7月刊行予定、部落問題研究所、約400頁)を執筆し、入稿した。また非人身分を取り扱った『城下町世界の没落と救済』(刊行年、出版社未定)の原稿(約8割)を執筆し、解体過程の前提研究をまとめ、刊行する準備を進めた。
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Research Products
(3 results)