2012 Fiscal Year Annual Research Report
神護寺領紀伊国かせだ荘の1185年荘園景観の復元研究
Project/Area Number |
22520672
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
海津 一朗 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20221864)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 旭輝 和歌山大学, 紀州経済史文化史研究所, 研究支援員 (80566331)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 荘園 / 荘園絵図 / 検注帳 / 文覚井 / 荘園景観 / 西岡虎之助 / 堤防遺跡 |
Research Abstract |
荘園現地調査の成果にもとづいて、中世帳簿類を全面的に再検討して、1185年段階における荘園景観を明らかにした。その結論については、代表者の編集による『紀伊国かせ田荘』(同成社)および『フィールドミュージアム地図かせだ荘』(和歌山大学)にまとめた。3年目にあたる24年度は、その成果を幅広く検証して、歴史学界および教育・文化財学界に普及させて、所期の目的である荘園遺跡の保存活用に資することを目的とした。 まず、学術書の刊行により研究成果に対する反応(書評など)を確かめた。さらに、それを徹底するため、地元のかつらぎ町教育委員会に申し入れて、地元の主催、海津研究室の共催による学術シンポと西岡虎之助のまつわる史跡ツアーを企画・実現した。これによって、地域の住民には研究の成果を還元できると同時に、私たちの研究に対する反対の立場からの論争も巻き起こったため、研究が活性化した。 さらに、我々の成果は、改訂版のフィールドミュージアム地図、および西岡虎之助の記録映画として普及徹底をはかり、とくに西岡資料(和歌山大学寄託)の徹底分析を行った。それについても、いくつかの学術雑誌により公表した。西岡資料については、聞き取りを徹底して、証言を記録フィルムに残すという新しい試みを行った。また、かせだ荘園内には、広域下水処理施設が設置されているため、国土交通省の近畿工事事務所と連携して洪水対策の一環として情報を提供した。かせだ荘を中心とする本科研研究の成果が、国土交通省管下の展示施設で公開されるなど、地元への普及に大きな力となった。 東京大学の西岡資料(絵図)の分析を進めて、かせだ荘研究の基本史料であるかせだ荘絵図の諸本(西岡本・東大影写本類)についても東大調査を組んで、踏み込んだ検証を行った。その成果は、来年度の和歌山県立博物館の特別展「文覚井展」において検証される段取りになっている。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|