2013 Fiscal Year Annual Research Report
『日本国見在書目録』からみた日本古代漢籍受容史の研究
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22520688
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
榎本 淳一 工学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80245646)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 日本古代史 / 中国隋唐史 / 漢籍受容史 / 書誌学 / 目録学 / 文化交流史 / 東アジア史 |
Research Abstract |
本年は最終年度であるため、研究成果の公開に力を入れた。 まず、昨年度口頭発表した日本古代における仏典の将来状況についての考察を、論文化し、『日本史研究』という査読雑誌に投稿し、「日本古代における仏典の将来について」として掲載された。この論文により、漢籍のみならず仏典においても唐朝の持出制限の影響がうかがわれることを明らかにすることができた。古代日本における唐文化の受容の総体を考える上で、一定の貢献ができたものと考える。 次に大きな成果としては、『日本国見在書目録』の手本となった『隋書』経籍志の成立時期に関する研究を、東洋史研究会(京都大学)という日本の東洋史研究の中心的な学会で発表できたことを挙げたい。従来、内藤湖南の説に拠って、『隋書』編纂時に作成されたものと考えられてきていたが、中国の余嘉錫氏の説などを再評価し、史料の再検討することにより『大業正御書目録』に基づくものであることを明らかにした。この研究により、『隋書』経籍志所載の書籍情報は唐初のものではなく、隋大業年間の情報であることが確定し、書籍の年代判定の重要な基準を示すことができた。今後の書誌学的な研究に大きな寄与ができたものと信ずる。 三番目の成果としては、現在刊行中の『岩波講座日本歴史』の第3巻に掲載される論文として「遣唐使の役割と変質」を書き上げ、出版社に提出することができた。漢籍・仏典を日本にもたらした遣唐使の歴史的な意義を一般の方々にも分かりやすく説明することができたものと思う。 また、富山大学東洋史研究室主催の共同シンポジウムに招かれて、コメント報告という形ではあるが、『唐六典』書誌的な研究を発表し、唐代の漢籍についていくつか新知見を示すことができた。それから、日中の文化交流・漢籍流入の背景にある国際関係・交易制度について、学会発表1件、書評2件の成果を挙げることができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] 中日書目比較考2013
Author(s)
榎本淳一
Organizer
東洋史研究会2013年度大会
Place of Presentation
京都大学文学部
Year and Date
20131103-20131103
Invited
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