2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本古代の国造制と地域社会の総合的研究-国造制研究支援データベースの構築-
Project/Area Number |
22520689
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
篠川 賢 成城大学, 文芸学部, 教授 (30149059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川原 竜一 明治大学, 研究知財戦略機構, 客員研究員 (20530067)
鈴木 正信 滋賀大学, 経済学部, 特任准教授 (30538335)
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Keywords | 歴史学 / 日本史 / 古代史 / データベース / 国造 |
Research Abstract |
国造制は大和王権の地域支配制度であり、古代国家の成立過程を探る上で不可欠なテーマの一つである。本研究では、研究代表者の篠川賢と、研究分担者の大川原竜一・鈴木正信らが、10年間に亘って開催してきた国造研究会の成果を基盤とし、国造制と地域社会の研究に必要不可欠な情報を網羅的に集積して、国造関係史料集、国造関係文献目録、国造本紀テキスト、国造制研究支援データベースを作成する。これにより国造制と地域社会に関する研究を促進し、さらには広く日本古代史研究に対して有益な情報を提供することが、本研究の目的である。平成23年度は、(1)国造関係史料集の作成準備、(2)国造関係文献目録の作成準備、(3)国造本紀テキストの作成準備、(4)国造に関する個別研究、これら計4項目を実施した。(1)では、平成22年度に収集・整理した国造関係の史資料をデータ入力・整理し、各国造についての解説を作成した。(2)では、平成22年度に収集.整理した文献(論文・著書)の情報をデータ入力・整理し、国造制全般に関わる研究と、個々の国造を取り上げた事例研究とに分類した。(3)では、平成22年度に実施した写本の収集作業を踏まえて、底本(天理図書館所蔵卜部兼永本)の本文と、他の写本(約20種類)との校異の結果をデータ入力・整理した。(4)では、平成22・23年度の作業過程で得られた知見をもとに、国造制および古代地域社会に関する個別研究を行った。平成23年度中には、共同研究のミーティングを計6回、研究会を計6回、実地調査を2回実施した。また、研究代表者・分担者あわせて雑誌論文12件、学会発表13件、図書3件の研究成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成23年度当初の研究実施計画では、(1)国造関係史料集は計400件の史資料を載録予定、(2)国造関係文献目録は計600件の文献(論文・著書)を載録予定、(3)国造本紀テキストでは校異のために計25種類の写本を収集予定であった。それに対して年度内には、(1)は約450件の史資料、(2)は約4000件の文献のデータを作成し、(3)は約30種類の写本との校異を実施することができた。また、研究代表者・分担者あわせて雑誌論文12件、学会発表13件、図書3件の研究成果を発表できたことも、計画段階での目標を大幅に上回った。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は、平成24年度が最終年度である。平成24年度には、(1)国造関係史料集の作成、(2)国造関係文献目録の作成、(3)国造本紀テキストの作成、(4)国造制研究支援データベースの構築、(5)国造に関する個別研究、これら計5項目を実施する。(1)~(3)では、平成22・23年度に作成したデータの体裁を整え、解説や地図などを加えて簡易製本を行う。(4)では、上記した(1)~(3)のデータを再編集して、データベースを構築する。(5)では、平成23年度までの研究成果を踏まえて、国造制および古代地域社会に関する研究の総括を実施する。
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