2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520700
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Research Institution | Kwassui Women's College |
Principal Investigator |
細井 浩志 活水女子大学, 文学部, 教授 (30263990)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 暦 / 大衍暦 / 五紀暦 / 進朔 / 陰陽道 / 天文要録 / 続日本紀 / 日本書紀 |
Research Abstract |
まず竹迫忍氏が新たな唐代の暦日復原案を作成した。同時に唐での進朔制度の変遷が明らかとなった。また日本の暦日研究では不明とされていた、日本での麟徳暦(=儀鳳暦)施行期に進朔が行われなかった理由も判明した(なお中国ではすでに同様の指摘があった)。また、この復原案と比較しての検討により、従来曖昧であった日本での大衍暦施行期における、進朔限の変遷も解明された。次に日本で進朔限が変遷した理由を、唐と比較すると、五紀暦の影響が顕著に見られることが判明した。五紀暦は従来はあまり評価されていなかったが、日本では唐の最新暦法と誤解された時期があり、唐情報の伝播の在り方に興味深い事例を加えることができた。また、暦日とも関わる天文占の書物として、平安時代以降の陰陽道で重視された『天文要録』の不明写本(旧内閣文庫本)を発見することができ、その写本系統について見通しを示すことができた。またこの補助金事業の集大成として、『日本史を学ぶための<古代の暦>入門』(吉川弘文館)を6月に刊行する。これは、中国式暦法とそれに基づいて造られる暦が、どのように日本社会に導入され定着するか、それが日本の政治・社会にいかなる影響を及ぼしたのかについて、新しい知見も入れつつ、一貫した見通しを示したものである。本書は本事業の研究成果を、概説書として公表することで、日本史研究者以外にもわかりやすく提示するものである。このほか、初期陰陽道と災害観との関係、陰陽道を構成する占術を日本にもたらした仏教伝来に関する『日本書紀』の記事の評価、『続日本紀』淳仁天皇紀の暦日についても明らかにした。本事業の目的は、日本古代の暦・時刻の制度・観念とその浸透、そこに初期陰陽道が果たした役割の解明であった。2012~2013年度の研究成果は、時刻については十分ではなかったものの、暦については、かなりの成果があったものと認められよう。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)
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[Book] 藤原仲麻呂政権とその時代2013
Author(s)
木本好信(編),荊木美行,榎本淳一,遠藤慶太,梶川信行,木本好信,河内春人,関根淳,中川収,中村光一,長谷部将司,細井浩志,松尾光,宮﨑健司,渡部育子
Total Pages
245(191-204)
Publisher
史聚会