2012 Fiscal Year Annual Research Report
宮廷工芸に関する物質文化的研究 ―生活感のある工芸史の構築をめざして―
Project/Area Number |
22520704
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Research Institution | 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館 |
Principal Investigator |
猪熊 兼樹 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, その他部局等, 研究員 (30416557)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 宮廷工芸 / 物質文化 / 公家 / 葵祭 |
Research Abstract |
本研究の目的は、前近代の日本の宮廷で用いられていた服飾・調度品などの物質文化を対象とし、公家階層の生活様式に基づいた宮廷工芸の分類体系を構築することにある。このように本研究の対象は、日本の宮廷工芸という特定事例であるが、その意義は東アジアを対象とする歴史研究における物質文化的側面を深化させ、人間の生活感を反映する歴史の構築に資する工芸史研究の試論とすることにある。本研究の研究方法は、A.史料に記録される宮廷生活における工芸品の調査、B.現存する宮廷工芸の実物資料の調査、C.現行の伝統的祭礼行事における宮廷工芸の用例の調査という3つの方法を併用する。これらの調査によって、宮廷工芸に関する文献史料や実物資料のデータを充実し、その分類体系を構築することで、物質文化的見地による工芸史研究を進めるうえでの基盤整備を図る。平成24年度は下記の調査を行なった。 A.宮廷生活記録の文献調査:天理大学図書館蔵『大南会典事例』の複写を行なった。本史料をもとに、中国の宮廷制度を採用した越南宮廷の物質文化の実態を把握することにより、日本宮廷の物質文化について相対的に理解するための検証を行っている。 B.宮廷工芸の実物調査:東京国立博物館が所蔵する宮廷工芸のうち調度品・装束裂集・絵画資料・文献史料を調査および撮影をし、宮廷工芸の形式の検討を行っている。 C.宮廷工芸の用例調査:京都の葵祭において用いられる服飾・調度類の調査・撮影を行ない、関係者のあいだに伝えられた伝承や技術の聞き取り取材を行ない、実物資料を取り巻く環境の検討を行なっている。 以上の調査および撮影により、本研究成果を公表する準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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