2010 Fiscal Year Annual Research Report
ワクフ経済の社会史:16世紀ダマスクス州ワクフ調査台帳の研究
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22520712
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| Research Institution | Ochanomizu University |
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Principal Investigator |
三浦 徹 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (00199952)
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| Keywords | 東洋史 / イスラム / 都市 / 経済史 / ワクフ / 寄進 / 文書史料 |
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| Research Abstract |
本研究は、オスマン朝初期(16世紀)に編纂されたダマスクス州のワクフ(宗教的寄進)調査台帳の基本データのデータベースを作成し、ダマスクス州の社会経済資源の総体と寄進財に関わる国家、集団、個人の社会関係を明らかにすることを目的とする。
22年度は、トルコ・オスマン文書館に所蔵される3冊のワクフ調査台帳のうち、約1000件の寄進文書を解読し、寄進者、寄進目的、寄進物件およびその所在地・収入額、寄進年のデータの入力・整理を行った。寄進物件の情報については、シヤーカトという財務関係の記録に用いられる特殊な書体によって記録され、その解読には同時期の他の土地記録からも情報を収集する必要があり、併行してこれらの史料からのデータ収集を進めた。
当該史料の研究のため、現地での調査研究を実施した。三浦徹(研究代表者)は、ダマスクス(シリア)において、国立ダマスクス文書館などで関連史料と関連文献の閲覧・収集を行った(22年9月)。清水保尚(研究協力者)は、イスタンブル(トルコ)などにおいて、総理府オスマン文書館などで関連史料等の調査を行った(23年2-3月)。いずれもワクフ調査台帳の解読と歴史的背景の理解に資する情報が得られた。
また三浦は、第8回アジア中東学会大会において、イスラーム社会と中国社会の所有や契約のあり方を比較する研究報告を行い、とりわけ中国の研究者から大きな反響があった。
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