2010 Fiscal Year Annual Research Report
加耶諸国各国の史的展開と諸国連合の実相に関する総括的研究
Project/Area Number |
22520718
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
田中 俊明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (50183067)
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Keywords | 加耶諸国 / 大加耶連盟 / 金官国 / 比自火国 |
Research Abstract |
研究の目的は、加耶諸国のうちの主要な国、大加耶国・多羅国・金官国・安羅国の歴史的展開を、限られた文献に加えて、地方誌の地名資料や考古資料などをもとに、できるかぎり再現すること。それを通してすでにわたしが大加耶連盟・加耶南部諸国連合と名付けている諸国連合におけるそれらの国々の位置づけをいっそう明確にし、相互の関係を動的に把握すること。また比自火国については、同様にその国自体のあとづけをするとともに、周辺の小国との関係に注意しつつ、その文化圏・政治圏を検討し、それを中心とする諸国連合の存否について検討すること。そしてそれら全体の成果をふまえて、あらためていわゆる「任那日本府」論を、批判的に検証することである。 4月に金海で開かれた学会において、「任那」論について発表をし、三嘉の古墳発掘現場を参観した。9月に金海(金官国)と咸安(安羅国)を踏査し、3月に金海の望徳遺跡・昌寧(比自火国)の霊山古墳群の発掘現場を参観した。「任那」論の発表は、今後のさらなる検討にむけての素描ということで、従来の研究を批判的に検討した。また発掘現場を中心とする現地調査によって、その古墳群を含む加耶国の構造についての知見を得た。
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