2012 Fiscal Year Annual Research Report
加耶諸国各国の史的展開と諸国連合の実相に関する総括的研究
Project/Area Number |
22520718
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
田中 俊明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (50183067)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 大加耶国 / 加耶諸国 / 多羅国 / 金官国 / 安羅国 / 比自伐国 |
Research Abstract |
今年度も、大加耶国の高霊池山洞古墳群・主山城・大加耶博物館、多羅国の玉田古墳群・城山土城・陜川博物館、金官国の金海大成洞古墳群・大成洞博物館ほかを踏査し、特に主山城では発掘現場を見た。その結果多くの情報を新たに得ることができた。 それと同時に構成の地誌・邑誌にみえる関係資料を整理し、これまで知られた文献資料等を総合するかたちで、主要加耶の広がりについて考察した。最近発掘された陜川邑の大耶城も踏査したが、それは新羅が置いた多羅(=大耶)城であり、多羅国の領域がそこまで含んでいたことを示す。それは咸安の城山山城の場合にもいえ、加耶時代の中心古墳群よりも南に新羅が築城したものであり、新羅の拠点はさらに南に置かれた。そこも含めた安羅国というものを想定しなければならない。比自伐国の昌寧も校洞古墳群のみではなく、桂城里・霊山地区に別の大きな古墳群があり、そこまでを含んだ比自伐国を想定しなければならない。そうした領域内での集団間の構造について検討し、重層的階層的に編成された諸国像が描けるようになった。また、大加耶国・多羅国・安羅国・金官国については、王宮の文献による理解と、調査の現状を整理し、結局現在までに明確になった王宮はないものの、およその見通しが可能になった。諸国の空間的構造としては、王宮が中心であり、その近くに古墳群があり、聚落があり、まわりの山に山城があるというのが基本であるが、そのすべてが明らかになっている例はないものの、それをうかがわせる情報が集まりつつあるといえる。当時の景観復元が可能になってきたのである。 それ以外に『日本書紀』が「任那官家」をどのように考えているかの詳細な分析を通して、いわゆる「任那四県」の位置をわたしが以前にとらえたようなものでいいのかどうか検証した。やはり四県は全羅南道に広域に広がるものであったと考えてよい。、
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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