2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520721
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
小名 康之 青山学院大学, 文学部, 教授 (60118718)
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Keywords | イギリス東インド会社 / オランダ東インド会社 / ムガル帝国 / 17世紀 / ファルマーン / バタワンナ / パールスィー / ジャイナ教徒 |
Research Abstract |
今年度(~平成23年3月31日) の研究実績 今年度は、第一に、現在のムガル時代の商人集団の活動に関する研究状況を明らかにし、現段階で手に入れうるの史料を整理する。研究補助者をつかって、史料の状況を整理し、PCに打ち込む。現在、ムガル時代研究に関するカタログが編纂されており、これらのカタログは、未だ、必ずしも十分とはいえないが、ある程度は文書の状況について把握することが可能となっている。こうしたカタログにより、必要な史料の存在が明らかになるので、それで史料の状況を調査したうえで、まず、ロンドンの British Library におもむき、India Office Library and Records の史料を調査し、研究することとする。また、現在、出版されており、手に入れうるムガル時代歴史研究の専門書を購入することにつとめた。 ロンドンの British Library における史料のなかでは、膨大な東インド会社関係史料のなかから、当時のイギリス本国と現地とのやりとりを示す文書を調査した。ムガル国家中央とインド各地の集団との関わりを調べるための、17世紀当時、イギリス、オランダなどの東インド会社が関わったムガル帝国中央の文書を調べることにより、ムガル帝国から発布されたファルマーン、パルワンナ(皇帝、皇子の命令書)などの公文書の考察を行うものとする。第一には、ムガル支配のもとで、地方の商人集団が国家体制と深く結びついて経済活動を行っていたことが判明しているので、こうした公文書を調査研究することにより、パールスィー、ジャイナなどの商人集団の活動を明らかにしていくつもりである。とくにムガル帝国中央は当時の有力な商人集団に対する保護を行ったことが知られている。
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