2011 Fiscal Year Annual Research Report
第二次世界大戦期における地球規模での華僑の動態と構造研究
Project/Area Number |
22520723
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
菊池 一隆 愛知学院大学, 文学部, 教授 (00153049)
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Keywords | 中国近現代史 / 第二次世界大戦 / 抗日戦争 / 太平洋戦争 / 華僑 / 政治力学 |
Research Abstract |
平成23年度は、計画通り(1)第二次世界大戦期のアメリカ華僑について、アメリカ軍への直接参加などの部分を含めて新たな論文を1本を書き上げた。これで、最終的に華僑関連の第2冊目の専門書の1章にするには、さらに日本国内外の史料で補強する必要はあるが、アメリカ華僑に関する研究は大戦期のハワイ華僑を除き基本的に終了した。 (2)私の狙いは、南北アメリカ大陸華僑の抗日動態と構図の本格的な解明にあり、アメリカ華僑に続きカナダ華僑の動態と構造解明に着手した。その際、アメリカ華僑との連合・離反、および共通性と差異に着目した。ただし、カナダ華僑に関してはすでに開始しているとはいえ、入手史料だけでは不十分で、補強史料も調査、収集する必要がある。平成24年度の完成を期す。 (3)中南米華僑の抗日活動の実態と対中支援にアプローチした。大戦期に限れば、未知の分野である。その手がかりを得るため、今回は計画通り、コスタリカ・パナマに行き、大戦中、中国を支援した当地華僑の実態を明らかにするため、国立図書館、大学などで資料を調査、収集した。コスタリカ・パナマ両国から見た大戦・日中戦争、華僑、特に南北アメリカ大陸の華僑動態と構図を考察する手がかりとした。これは本研究で重要な意味を持つ。海外旅費はこれに充てた。 その他、鹿児島県立図書館で戦時期の華僑関係史料を調査収集した。国内旅費、史料焼付費はこれに充てた。また、戦時期・華僑関連の図書を購入した。物品費はこれに充てた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、第二次世界大戦期のアメリカ華僑は論文を発表、基本的に完了したこと。カナダ華僑についてはすでに着手しており、24年度の完成が見込めること、および中南米華僑についても理解が深化しているからである。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)カナダ華僑について資料的補強も必要と考えられるが、すでに入手の資料から分析を深め、24年度中に論文の発表を目指す。 (2)ハワイ華僑については大戦時期の動態が現在のところ不明点が多い。したがって、現在入手の少ない資料でデッサンし、夏季休暇を利用してハワイ大学などに行き、関連研究、関連資料の調査収集する。 (3)中南米華僑については一歩一歩地道であるが、分かる範囲から研究を詰めていく。以上、問題はない。
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Research Products
(4 results)