2012 Fiscal Year Annual Research Report
第二次世界大戦期における地球規模での華僑の動態と構造研究
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22520723
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
菊池 一隆 愛知学院大学, 文学部, 教授 (00153049)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 中国近現代史 / 第二次世界大戦 / 抗日戦争 / 太平洋戦争 / 華僑 / 政治力学 |
Research Abstract |
平成24年度は、(1)第二次世界大戦期のハワイ華僑について、西安事変への対応、中国支援、日系人との関係、太平洋戦争勃発後の動態、およびアメリカ軍への直接参加などの部分を含めて新たな論文を1本を書き上げた。これで、最終的に華僑関連の第2冊目の専門書の1章にするには、さらに日本国内外の史料で補強する必要はあるが、アメリカ華僑に関する研究は大戦期のハワイ華僑を含め基本的に終了した。 (2)ハワイ華僑に関しては、上述の如く完成した。これには、ハワイ大学はミルトン図書館、ハワイ州立図書館の史料が不可欠であり、本年度、これらを調査収集した。海外旅費はこれに充てた。 (3)私の狙いは、南北アメリカ大陸華僑の抗日動態と構図の本格的な解明にある。アメリカ華僑に続きカナダ華僑の動態と構造解明に着手しているが、カナダ華僑に関しては入手史料だけでは不十分であることがわかり、補強史料を調査、収集する必要がある。平成25年度の完成を期す。 (4)中南米華僑の抗日活動の実態と対中支援にアプローチしており、大戦期に限れば、未知の分野である。コスタリカ・パナマで調査収集した史料から大戦中、中国を支援した当地華僑の実態を明らかにしようとしている。コスタリカ・パナマ両国のみならず、メキシコ、ペルー、キューバまでも視野に入れようと考えている。こうして、大戦・日中戦争、華僑、特に南北アメリカ大陸の華僑動態と構図を模索している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由)計画通り、第二次世界大戦期のアメリカ華僑は論文を発表、基本的に完了したこと。計画では、カナダ華僑の後にハワイ華僑をやる予定であったが、カナダ華僑は史料不備であったため、ハワイ華僑を先行させた。このように順番は逆になったが、ハワイ華僑は無事、完成させることができたからである。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)カナダ華僑についてはすでに入手の史料から分析を進めているが、史料が不十分である。そこで、本年度は、夏期休暇を利用してカナダのバンクーバーに行き、チャイナタウン、博物館、特にブルティシュ・コロンビア大学で新たな史料、補強史料を調査収集する。24年度中に論文の発表を目指す。 (2)中南米華僑については大戦時期の動態が現在のところ不明点が多い。したがって、現在入手の少ない史料でデッサンし、関連研究、関連史料の調査収集する。 以上のように、カナダ華僑については一歩一歩地道ではあるが、現有史料で分かる範囲から研究を詰めていき、同時に現地で調査収集する史料によって完成に持っていきたい。
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Research Products
(5 results)