2010 Fiscal Year Annual Research Report
内陸アジア出土4~12世紀の漢語・胡語文献の整理と研究
Project/Area Number |
22520727
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Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
土肥 義和 (財)東洋文庫, 研究部, 研究員 (10104746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 誠 (財)東洋文庫, 研究部, 研究員 (50110979)
片山 章雄 (財)東洋文庫, 研究部, 研究員 (10224453)
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Keywords | 敦煌 / 吐魯番 / 開封 / 古文書 / 石刻 / 唐律 / 彩画 / 仏教 |
Research Abstract |
研究代表者土肥義和と研究分担者岡野誠・片山章雄の3名は、研究実施計画にもとづき、以下の整理作業と調査研究を行なった。 1、東洋文庫がロシア科学アカデミーから入手した内陸アジア出土文書マイクロフィルム363リール中の、古ウイグル・ソグド語文書マイクロフィルム30リールに含まれる胡語・漢語文書を抽出し、「文書番号・齣数対照目録」のデータベース化の方針を決めて作業に入り、3割程度の進展を見て公開研究会で作業者からの報告を実現した。 2、関連する漢語・胡語資料の所蔵機関の調査で、代表者土肥は北京の中国国家図書館と北京大学図書館で敦煌文献の実見調査を行ない、分担者岡野と片山は旅順博物館と北京の上記両館にて関係文献の実見調査を行なった。岡野は唐宋時代の法制文献の文献学的・法史学的研究のため、旅順で吐魯番文献を、北京の両館では敦煌文献を確認し、別記の報告書年度分冊掲載の論文で旅順の『唐律』『律疏』断片のカラー写真を学界に提供し、既発表論文のいくつかの論点をより正確にした。片山は唐代の田制等社会経済文書と墓葬再利用文書の確認のため、旅順では吐魯番出土の文献・彩画両面資料を実見し、それらは龍谷大学所蔵の大谷文書等とどのように綴合するのかについて調査検討し、その成果を別記年度分冊掲載の共同論文に示した。 3、代表者土肥は、開封市の繁塔に見える北宋初期の仏教石刻資料を、同行の分担者・補助者、日中の協力者らとともに確認し、敦煌仏教文化との比較や供養人題記を分析するための新資料を得た。それらは別記の報告書年度分冊に、主編者として関係者名も示し資料集のかたちで提示した。 以上、特に調査研究は所蔵先の事情もあり、報告書冊子で成果の確認・共有とした。
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