2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520732
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
山崎 彰 山形大学, 人文学部, 教授 (30191258)
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Keywords | マルク経済協会 / ブランデンブルク / ロッホウ / 農村結社 |
Research Abstract |
本年度は、次の2点に研究計画の中心があった。 (1)マルク経済協会に関する文書館資料の調査 ブランデンブルク州立中央文書館において、マルク経済協会関係の資料の調査を行ったが、資料の残存状況は断片的で、本研究にかかわる文書、すなわち初期のマルク経済協会に関する史料の所蔵は限定的であることが明らかになった。 (2)「マルク経済協会」刊行の機関誌の調査 2010年9月にベルリン工科大学において「マルク経済協会」の刊行した「マルク経済協会誌」「公益的民衆誌」とその後継誌「プロイセン・マルク経済協会誌」3つの機関誌の調査を行い、また帰国後、3誌に掲載された記事、評論の複写を発注した。この過程で創設期に刊行された「マルク経済協会誌」「公益的民衆誌」の編集意図、掲載記事の分析を開始した。マルク経済協会の会員は主に、貴族、官僚、聖職者、実業家などによって構成されているが、「マルク経済協会誌」の編集はこれら会員間で新しい農業技術の知見を交換し合うことが意図されていること、加えて農民たちに対する畜産などの教育にも注意が払われていることが明らかになった。他方、「公益的民衆誌」では農民などに対する農業や不動産法などについての啓蒙的意図がより鮮明である。次年度以降は、両誌のより詳細な分析を進めるとともに、後継誌「プロイセン・マルク経済協会誌」との比較も行う必要がある。
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