2010 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツにおける「新しい社会運動」と市民社会 「新しい」市民社会論の視点から
Project/Area Number |
22520733
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
中田 潤 茨城大学, 人文学部, 准教授 (40332548)
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Keywords | 地域者社会 / 市民社会 / 公共圏 / アソシエーション / ドイツ / ハンブルク / 市民運動 / 環境 |
Research Abstract |
本年の研究実績は2つに大別される. 「新しい社会運動は,財政的,行政的な観点,討議デモクラシー論に代表されるようなデモクラシー論の観点,ドイツ史における市民層(Burgertum)をめぐる議論,ならびに主として彼らを担い手とする様々な協会組織との連続性・断絶性の観点,さらにはこうした議論から当然導きだされてくる歴史的な概念としてのBurgerliche GesellschaftとZivilgesellschaftの関係に関する議論などの極めて異なる(研究)関心から議論されている対象である.そこでその先行研究の整理という目的でサーベイ論文「新しい市民社会論とは?」を執筆した. 第2点目は,夏期休業期間中に行った4週間の調査旅行であった.この調査旅行では「ハンブルク・ハールブルク工科大学建設によって影響を被る市民の会」の市民運動の側・行政側の史料収集を主としてハンブルク州立文書館において行った.この市民運動はハールブルク市街中心部に工科大学を立地することに対して,地価・家賃の高騰および託児所,高校,難民収容施設等の市民関連施設の大学用地確保のための強制的な移転に反対して1978年に結成された市民運動であったが,運動の組織構造・主張の骨子・運動の展開等に関する詳細な史料を収集することができた.現在これらの分析・検討を実施中である.
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