2011 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツにおける「新しい社会運動」と市民社会 「新しい」市民社会論の視点から
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22520733
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
中田 潤 茨城大学, 人文学部, 准教授 (40332548)
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Keywords | 地域社会 / 市民社会 / 公共圏 / アソシエーション / ドイツ / ハンブルク / 市民運動 / 環境 |
Research Abstract |
本年の研究実績は2つに大別される. 第1点目は,夏期休業期間中に行った4週間の調査旅行であった.この調査旅行では「ハンブルク・ハールブルク工科大学建設によって影響を被る市民の会」に関する資料収集を行った.本研究は,研究の目的にも記されるように,メディア(史)研究の側面における寄与も念頭に置いている.そこで,上記の市民運動に関して継続的に報道を行っていた,die Welt Tageszeitung,Bildなどの全国紙からHamburger Abendblattなどの全ハンブルクレベルの地方紙,Harburger Wochenblattなどの州内の区レベルを対象とした新聞を収集した.こうしたメディア報道を利用することによって,公共圏形成においてメディアの果たす役割に関する分析が可能であると考えている.現在これらの分析・検討を実施中である. 第2点目は,研究のタイムスパンを若干拡大し,「新しい社会運動」がその成立期より変化を遂げなが航現在いかなる形態として具現化しているのかという関心から新たな事例研究を行った.具体的にはエネルギー問題を関心の中心において活動するユーンデ村をとりあげ,「バイオエネルギー村ユーンデ 生活環境再編に向けた討議民主主義の可能性」として発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は2本の論考を発表することができ,かつ史料収集も予定通り行うことができた.史料収集について予定されていたものの一部が収集できていないが,本年度も調査を行うため,所期の目的を達成することは充分可能である.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従って,本年度もハンブルク州立中央文書館ならびに州立図書館において「ハンブルク・ハールブルク工科大学建設によって影響を被る市民の会」ならびに「シュネールゼン・ブンダーブルネン市民の会」という2つの市民運動に関する史料収集を夏休み期間中に行う予定である.また本年度はこれらに関する研究成果発表を学術誌の場で行う予定である.
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